可愛がってあげたい、強がりなきみを。 〜国民的イケメン俳優に出会った直後から全身全霊で溺愛されてます〜

***

 その日も宗介さんは午後7時過ぎに帰ってきた。

「おかえり」

 このところ、ずっと彼の部屋に入り浸りで、隣は空き部屋状態。
「お、いい匂い」

 しばらくすると、シャワーを浴び、ルームウエアに着替えた彼がやってきて、テーブルについた。

 食卓に並ぶブリの照り焼きを目にして、顔を綻ばせる。

「今日もうまそうだな。いただきます」

 宗介さんは和食党。
 特に、魚の煮つけとか肉じゃがなんかの定番料理が好き。

 魚の調理は苦手だけど、母直伝のブリの照り焼きだけは自信があった。

「今日、ちょっとした騒動があってさ」
 食後、お茶を飲みながら、宗介さんが話しはじめた。

「騒動って? 芝居の稽古で?」
「いや、事務所でさ……」
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