可愛がってあげたい、強がりなきみを。 〜国民的イケメン俳優に出会った直後から全身全霊で溺愛されてます〜
***
そして、あっという間に翌々日になった。
榊原宗介の来社は13時ごろらしい。
「あ、郁美先輩」
早めに昼食を終えて戻ってきたわたしに知花が声をかけてきた。
知花のまわりには、部内、部外を問わず、大勢の女子社員が集まっていた。
「宗様の写真撮ったら、わたしのスマホに送ってもらいたいんですけど」
いつもより3倍メイクに手間をかけました、ほら、ネイルもバッチリです! と言いたげな知花が拝んできた。
「写真は広報の人が撮るだろうけど、わたしは撮らないよ。それに課長がSNSへの掲載はNGって言ってたけど。ほら、ドラマのこと、まだマル秘だし」
「えー」知花ががっくりと肩を落とす。
自慢する気満々だったな。まったく。
「会社の信用問題にも関わるから、こっそり上げたりしたら、絶対ダメだからね」
わたしはそこにいた全員に釘を刺す。
はーい、とちょっと不満げな返事が返ってきた。