可愛がってあげたい、強がりなきみを。 〜国民的イケメン俳優に出会った直後から全身全霊で溺愛されてます〜
 あ、強引な宗介さん発動だ。
 こういうときの彼には何を言っても無駄。

「じゃあ、手を拭くから」
 そう言って、彼の手から一時だけ逃れる。
 でも、すぐに捕まえられて、彼のほうを向かされて、今度はキスの雨を降らせてきた。

「ん……」

「好きだよ。一緒に暮らしはじめて、さらに毎日、毎日、好きが積みあがっていく気がする」

「わたしも……まったく同じ、宗介が大好き」

「もう、風呂入った?」
「うん」
「なんだ、まだだったら、俺が洗ってやろうと思ったのに」

「あ、残念。旅館で髪の毛を洗ってもらったとき、とっても気持ちよかったから」

 宗介さんはわたしの髪をいじりながら、耳元でささやく。
「まあでも、今、一緒に入ったら我慢できずに風呂場でヤッちゃいそうだけど」

 ヤッちゃうって……ストレートすぎるって。

 自分の顔が熱を持ってくるのがわかる。

 彼はにやっと笑って言った。
「それはまた、次回のお楽しみにしておこう。さ、あっちに行こう」

 彼はわたしから離れ、寝室に向かっていった。
 そしてわたしも、彼の後に続いた……
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