可愛がってあげたい、強がりなきみを。 〜国民的イケメン俳優に出会った直後から全身全霊で溺愛されてます〜

「気に入った？」
「もちろん……こんなサプライズがあるなんて思ってもなかった」

　彼はいたずらっぽく目を光らせた。
「気づかれちゃったら、サプライズにならないからな」

　それから、彼はベッドに近づいてゆき、「早くおいで」とわたしを呼んだ。

　彼の横に立つと「本当のサプライズはこれからだ」と言って、ベッドの中央を指し示した。
　
　そこには、黒い皮製のリングケースが置かれていた。
　蓋は開いており、薔薇と同じ、真紅のベルベッドの中央で大粒のダイヤのリングがきらきらと光を放っていた。

「宗介……」

「手を出してごらん」と微笑みながら促され、左手を差しだす。
　すると彼はうやうやしく手の甲に口づけた。

「プロポーズのやり直し、させてくれる？」
　ちょっと照れた口調でそう言うと、わたしの左手の薬指に指輪を嵌め、それからわたしの手を自分の手で包み込み、優しい眼差しでわたしを見つめた。

「郁美、いつまでも俺と共に歩いてほしい」