可愛がってあげたい、強がりなきみを。 〜国民的イケメン俳優に出会った直後から全身全霊で溺愛されてます〜
「さすが、我が夫。もう惚れ直したよ」

「お褒めにあずかり光栄のいたり」と、宗介もおどける。

 ふふっと笑い合っていると「あのー」と亮介さんが苦笑しながら声をかけてきた。

「あの、俺たち、完全に置いてけぼりなんですけど……」

 あ、そうだった。
 亮介さんにはいつものことだろうけど、植田さんもいたんだ。

 そう思って、彼女を見るとちょっと驚いた顔をしている。
 会社でのわたしのイメージ、壊しちゃったな、たぶん。
 
 それからしばらく話をしていたら、ノックの音が響いた。

 いつのまにか外に出ていた向井さんが、ドアの向こうから「東洋テレビの杉田さんが……」と大声で知らせてきた。

「じゃあ、俺たちはそろそろ」と亮介さんが腰を上げ、わたしたちも後に続いた。
< 173 / 185 >

この作品をシェア

pagetop