可愛がってあげたい、強がりなきみを。 〜国民的イケメン俳優に出会った直後から全身全霊で溺愛されてます〜
 いえいえと恐縮していると、上のほうから視線が降ってきた。

 見上げると、榊原宗介がわたしをじっと見つめていた。

 な、なんで、そんなに見つめてくるんだろう。

 昼食のサンドイッチの卵、口の端につけてたかな。
 いや、そんなはずはない。
 ちゃんとトイレの鏡で確認したから。

 それにしても、この人、本当に類い稀なイケメン。
 自分と同じ人類とは、とても思えない。

 生まれてこの方、これほど美しい男性にお目にかかったことがなかったわたしは、思わず見とれてしまいそうになって、慌てて会釈した。

 そんなわたしに、榊原宗介はふっと笑みをこぼし、会釈を返した。
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