可愛がってあげたい、強がりなきみを。 〜国民的イケメン俳優に出会った直後から全身全霊で溺愛されてます〜
「まあ、でも……」

 そう切り出した彼に、わたしが思わず視線を向けると、こちらを見ていた視線と交わった。

 目が合った後もそらさず、じっと見つめつづけている。
 その視線に煽られて、心臓がビクっと反応した。

「今は来て良かったと思ってますよ」
「そう言っていただけたら嬉しいです。少しでもお仕事のご参考に……」

「いや、それもあるけど」

 彼はわたしの言葉を途中で遮って、びっくりするようなことを言い出した。

「きみに出会えて良かったってこと」

 まるで、愛の告白のシーンのような表情と声音で、彼は呟いた。


 はい??????


 一瞬、何を言われているのかわからなかった。
 そして彼の言葉が、脳のある部分に達したとたん、急に体温が上昇していくのを感じた。

 顔が熱を持ってきた。
 もう頬を染めてるなんて、可愛いもんじゃないと思う。
 茹で蛸並みに真っ赤になってる、きっと。

「か、からかわないでください」
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