可愛がってあげたい、強がりなきみを。 〜国民的イケメン俳優に出会った直後から全身全霊で溺愛されてます〜
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あー、疲れた。
オフィスに戻ったわたしは、自席にどすんと腰を下ろし、しばし放心状態。
普段とはまったく違うタイプの疲労に襲われていた。
――まさにタイプなんだよね。俺の。
頭に浮かんでくるのは、さっきの榊原宗介の言葉。
――会えて嬉しかった。またね。
いや、どう考えてもふざけてる。
それに、そんな言葉を本気にするほど、わたしはウブな世間知らずではない。
「また」とか言っていたけど、今日みたいに会うことは、もうないだろう。
とにかく彼はあまりにもイケメンすぎて、そばに居られると落ち着かない。
ドキドキしすぎて、心臓がもたない。
画面を通して、一方的に観るくらいがちょうどいい気がする。