可愛がってあげたい、強がりなきみを。 〜国民的イケメン俳優に出会った直後から全身全霊で溺愛されてます〜

「いずれ舞台の仕事を中心にやっていきたいと思っているんだ」
　中華薬膳料理の店で滋味あふれるスープを飲みながら、彼は語り出した。

「今のアイドル的な人気は一過性だろうし、飽きられればそれで終わりだからな」
　わたしを見つめる目が輝いている。

「で、最近、改めて舞台の勉強を始めたんだけど、稽古に行くたびに『下手くそ』って言われまくってて、かなりへこむ。それでも、自分からやりたいと言ったことだからやり遂げるつもりだけど」

「そうなんだ。がんばってください。初舞台、観に行きますね」

　わたしの言葉に彼は嬉しそうに目を細めた。
「ありがとう。本番の舞台に立つまでは、まだまだかかりそうだけど」

　ちょっと話を切って、紹興酒のグラスを傾けてから宗介さんは言った。
「橋本さんの仕事の話も聞きたいな。あいかわらず忙しいの？」

「ええ。来週、クライアントへの説明会が控えているので、今、追い込みの最中で」