エリートドクターは没落令嬢への溺愛を止められない
保険金は入ったけれど、使用人を雇っていた私達は、その人達の退職金等にほとんど使ってしまって、母との生活は苦しかった。

何とか高校は出たけれど、しばらくして母の胃がんが発覚。

今のお店の店長に事情を話し、キャバ嬢として働かせて貰っているのだ。


「じゃあ、サキナちゃん。またね。」

「はーい!また来てねー!」

お客さんを見送ると、店長が私を手招きした。

「はい。」

「給料払うから。おいで。」

また今月もやってきた。この瞬間。

私が裏の控室に行くと、店長が分厚い封筒を渡してくれた。

「今月も頑張ってね。」

「ありがとうございます。」

私は封筒の中身を確認した。

「あれ?少し少なくないですか?」
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