エリートドクターは没落令嬢への溺愛を止められない
「ああ……先月、紗貴はお客さんの指名、少なかっただろ。」

「ええ!そうなんですか!」

いつもと同じくらい接客したと思っていたのにな。

「今月、頑張ればいいんだよ。」

「はい……」

私は封筒をカバンの中に入れると、ロッカーの扉を閉めた。

すると、この店のナンバーワンキャバ嬢・ユウカこと由香さんが、ロッカー室に入って来た。

「お疲れ様です。」

「お疲れ様。ねえ、給料貰った?」

由香さんの手には、お金が入っている封筒があった。

「私、先月結構指名入ったのに、給料少なかったんだよね。」

「えっ?」

私と一緒だ。

「もしかして、噂は本当なのかな。」

「噂って?」

「もうすぐ店、潰れるんじゃないかって。」
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