【短】犬丸、今日が最後だってよ。
体育委員のはずなのにどうして知らなかったのだ私…。
今だって6限の実技あとの片付けをしていて、たまたまこぼれたボールを持ってきてくれたのが一条くん。
そしたらガシャンッ、からの現在。
「そ、それにしても一条くんが放課後までいるのって珍しいね…、」
「…たまたま」
「あっ、そ、そうなんだ…、」
みなさん、ビッグニュースがここにあります。
私こと犬丸(いぬまる)、
なんと一条くんと会話をしてしまってるのだが……!!
これすごくない…?
みんなから恐れられてる一条くんですよ…?
「犯人は分かってるから。…まあ明日にでも」
「……」
明日でも…、明日にでもどうするというのか。
はーっと息を履いて、マットの上に座った様はまるでどこかの大将。
を、さりげなく見つめる私はなぜか止まらない汗、汗、冷や汗。