【短】犬丸、今日が最後だってよ。




「うぅ…、……アーメン、」


「は?」



もう明日には私の命は無いかもしれない。

今日が最後かもしれない、命日になるかもしれない、最後の晩餐もできず迎えてしまうかもしれない。


結論:たぶん、いやきっと。
犬丸、今日が最後だってよ。



「なあ犬丸」


「はっ、はいっ!!風を送りますか…!?それとも汗を拭きますか…っ!!」


「…まじで犬みてえ」



犬に、なります(断言)

さすがに命は惜しいです。


金曜日の夜は家族で鍋パーティーって決まってるんです。

すき焼き、今日はちょっとお高めのお肉を用意するってお母さんは言っていたんです。



「俺たち、隣の席だろ」


「へっ?」


「…仲良くしよーぜ」



な、仲良く……しよーぜ…、とは。

脅しにしか聞こえないのですが……。


そういえば犬丸と一条くんは隣の席。

でもいつも彼はそっぽ向いていて、私も怖くて見れなくて、気づいたときには居ない一条くんだからあまり実感がなかった。



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