【短編】最強総長は隠れ狼姫を惑わしたい。
見ると、そこには背が高くすらりとした体つきのクロヒョウみたいな男子がいる。
黒髪に、限りなく黒に近い焦げ茶の目。
前を全開にした学ランが良く似合っていて、色気すら漂わせていた。
でも今は色気よりも威圧感の方がすごい。
切れ長な目にわずかな怒りを滲ませて男達を睨みつけている。
その形の良い薄い唇がまた開いた。
「そこで何してるって聞いてんだけど?」
「っ! 来栖、迅……」
「何って? 可愛い新入生ちゃんを歓迎しようとしてんだけど?」
さっきまでヘラヘラしていた彼らの空気も緊張したものに変わる。
迅って……もしかしてこの人が《氷龍》の総長兼生徒会長?
「歓迎、ね……。何にせよ、そいつはこれから用事があるんだ。その手を離せ」
迅の睨みに鋭さが増す。
これは、睨まれただけで怯むわ。
とばっちりを受けた形であたしもちょっとビビってしまった。
「な、なんだよ用事って。あんたとデートでもすんの?」
あたしの腕を掴んでいる男が怯みながらも言い返すと、うざったそうなため息が聞こえてくる。
「はぁ……良いからそいつ離してどっか行け。……それとも力尽くで離されたいのか?」
声も一段と低くなると、その本気を感じ取った男があたしから手を離す。
黒髪に、限りなく黒に近い焦げ茶の目。
前を全開にした学ランが良く似合っていて、色気すら漂わせていた。
でも今は色気よりも威圧感の方がすごい。
切れ長な目にわずかな怒りを滲ませて男達を睨みつけている。
その形の良い薄い唇がまた開いた。
「そこで何してるって聞いてんだけど?」
「っ! 来栖、迅……」
「何って? 可愛い新入生ちゃんを歓迎しようとしてんだけど?」
さっきまでヘラヘラしていた彼らの空気も緊張したものに変わる。
迅って……もしかしてこの人が《氷龍》の総長兼生徒会長?
「歓迎、ね……。何にせよ、そいつはこれから用事があるんだ。その手を離せ」
迅の睨みに鋭さが増す。
これは、睨まれただけで怯むわ。
とばっちりを受けた形であたしもちょっとビビってしまった。
「な、なんだよ用事って。あんたとデートでもすんの?」
あたしの腕を掴んでいる男が怯みながらも言い返すと、うざったそうなため息が聞こえてくる。
「はぁ……良いからそいつ離してどっか行け。……それとも力尽くで離されたいのか?」
声も一段と低くなると、その本気を感じ取った男があたしから手を離す。