【短編】最強総長は隠れ狼姫を惑わしたい。
瞬間的に早まった鼓動を落ち着けるために軽く深呼吸して考える。
要は利害の一致を理由とした仮初めの恋人関係だ。
当然あたしにも利はある。
正直な話、守って貰わなくても自分の身は守れる。
でも、普通の女子高生を目指す身としてはケンカなんてするわけにはいかない。
さっきみたいな状況のとき守って貰えるのは非常に助かる。
それに……と、迅の美しいとすら言える顔を改めて見た。
仮初めでも恋人になれば、男の人と付き合う練習になるかもしれない。
男にすらケンカで買ってしまうあたしは、漢らしいと憧れで見られることはあっても異性として見られることはなかったから……。
つまり、男と付き合うどころか恋愛をしたこともなかったんだ。
だから、仮初めなら練習には丁度良いのかもしれないとも思った。
「そうですね。いいと思います」
あたしの返事に迅はしっかりと口角を上げて二ッと笑う。
「よし、じゃあ契約成立だ。付き合ってるんだから敬語は無しな。あと、迅でいい」
「あ、うん。あたしのことはリィナって呼んで」
笑顔で返したあたしに迅はフッと笑って手を伸ばしてくる。
その手が頭を軽くポンポンと叩いた。
要は利害の一致を理由とした仮初めの恋人関係だ。
当然あたしにも利はある。
正直な話、守って貰わなくても自分の身は守れる。
でも、普通の女子高生を目指す身としてはケンカなんてするわけにはいかない。
さっきみたいな状況のとき守って貰えるのは非常に助かる。
それに……と、迅の美しいとすら言える顔を改めて見た。
仮初めでも恋人になれば、男の人と付き合う練習になるかもしれない。
男にすらケンカで買ってしまうあたしは、漢らしいと憧れで見られることはあっても異性として見られることはなかったから……。
つまり、男と付き合うどころか恋愛をしたこともなかったんだ。
だから、仮初めなら練習には丁度良いのかもしれないとも思った。
「そうですね。いいと思います」
あたしの返事に迅はしっかりと口角を上げて二ッと笑う。
「よし、じゃあ契約成立だ。付き合ってるんだから敬語は無しな。あと、迅でいい」
「あ、うん。あたしのことはリィナって呼んで」
笑顔で返したあたしに迅はフッと笑って手を伸ばしてくる。
その手が頭を軽くポンポンと叩いた。