【短編】最強総長は隠れ狼姫を惑わしたい。
「さっきから思ってたけど、お前順応性が高いな。……ま、助かるけど」
「っ!」
子ども扱いされているような仕草に抗議の言葉が浮かびそうになったけれど、それ以上に湧いてきた感情が優先されて言葉はかき消えてしまった。
なんだろう、これ。
子供にするように頭ポンポンされたのに、嫌じゃないとか……。
むしろちょっと嬉しいような感じもして……面映ゆいってこんな感じだろうかと思った。
「さ、職員室に荷物取りに行くところだったんだろう? 行くぞ」
「あ、うん」
長い足を職員室に向けた迅にあたしも慌ててついて行く。
でもあれ? なんで迅はあたしが今荷物を取りに職員室に向かっているって事知ってるの?
その疑問はすぐに理解することとなった。
***
ガラッと、失礼しますの言葉もなく横開きのドアを開けた迅。
開けて先生たちの注目を浴びてから思い出したように「失礼します」と口にしていた。
そんな彼の後ろからあたしも「失礼します」と中に入ろうとすると――。
「おお来栖くん! 良かった先に来てくれて!」
聞き覚えのある声が喜々として――というか、助かったと言わんばかりの様子で迅に近付いてきた。
「っ!」
子ども扱いされているような仕草に抗議の言葉が浮かびそうになったけれど、それ以上に湧いてきた感情が優先されて言葉はかき消えてしまった。
なんだろう、これ。
子供にするように頭ポンポンされたのに、嫌じゃないとか……。
むしろちょっと嬉しいような感じもして……面映ゆいってこんな感じだろうかと思った。
「さ、職員室に荷物取りに行くところだったんだろう? 行くぞ」
「あ、うん」
長い足を職員室に向けた迅にあたしも慌ててついて行く。
でもあれ? なんで迅はあたしが今荷物を取りに職員室に向かっているって事知ってるの?
その疑問はすぐに理解することとなった。
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ガラッと、失礼しますの言葉もなく横開きのドアを開けた迅。
開けて先生たちの注目を浴びてから思い出したように「失礼します」と口にしていた。
そんな彼の後ろからあたしも「失礼します」と中に入ろうとすると――。
「おお来栖くん! 良かった先に来てくれて!」
聞き覚えのある声が喜々として――というか、助かったと言わんばかりの様子で迅に近付いてきた。