【短編】最強総長は隠れ狼姫を惑わしたい。
「やっぱり君の部屋の隣しかあの子が入れそうな部屋は無いんだ! 嫌だなんて言わないで何とか了承してくれないか⁉」
泣きつくように迅の肩に手を置いたのは加藤先生だ。
どうやら迅は加藤先生に呼び出されて職員室に向かって来ていたらしい。
そして必死な様子の加藤先生はあたしに気付いていないみたいだ。
「頼む! 他の部屋だと男子が入り込む可能性がどうしてもあるんだ。その点女嫌いのお前なら手を出す心配はないし、安心して任せられる」
黙って話を聞いていて分かった。
もしかしなくても、朝聞いた一番安全な部屋の隣の生徒って迅のことだったんだろう。
「本当に! 後生だから! 一番休めるはずの場所で襲われるかもしれないとか、彼女がいくらうら――」
「加藤先生⁉」
思わず叫ぶように呼んだ。
ちょっ⁉ 今裏番って言いそうになった⁉ なってたよね⁉
何とかギリギリ止められたことに安堵しつつ、心臓がドッドッとうるさくなる。
「っ! え? あ、すまん。日下部、いたのか……」
色んな意味でバツが悪そうな顔になる加藤先生をジトリと睨んでいると、黙って縋られていた迅が静かに口を開いた。
泣きつくように迅の肩に手を置いたのは加藤先生だ。
どうやら迅は加藤先生に呼び出されて職員室に向かって来ていたらしい。
そして必死な様子の加藤先生はあたしに気付いていないみたいだ。
「頼む! 他の部屋だと男子が入り込む可能性がどうしてもあるんだ。その点女嫌いのお前なら手を出す心配はないし、安心して任せられる」
黙って話を聞いていて分かった。
もしかしなくても、朝聞いた一番安全な部屋の隣の生徒って迅のことだったんだろう。
「本当に! 後生だから! 一番休めるはずの場所で襲われるかもしれないとか、彼女がいくらうら――」
「加藤先生⁉」
思わず叫ぶように呼んだ。
ちょっ⁉ 今裏番って言いそうになった⁉ なってたよね⁉
何とかギリギリ止められたことに安堵しつつ、心臓がドッドッとうるさくなる。
「っ! え? あ、すまん。日下部、いたのか……」
色んな意味でバツが悪そうな顔になる加藤先生をジトリと睨んでいると、黙って縋られていた迅が静かに口を開いた。