【短編】最強総長は隠れ狼姫を惑わしたい。
「え? ああ、まあそれは構わないが……」
あたしの勢いに押されてか戸惑いを見せる加藤先生。
でも確かにOKの返事をもらった。
「絶対ですよ!」
念を押すとコクコクと何度も頷いてくれたので、やっとあたしは落ち着くことが出来る。
ホッとして少し温くなった緑茶を口に運ぶ。
その温かさにも安心して落ち着いたあたしは、ふと疑問を口にする。
「こんな早くに呼び出されたのはその話をするためですか? てっきり寮の部屋が決まったから荷物を持って行けって言われるのかと思ってました」
新しく建てた女子寮の最終点検が押していて、入寮は入学式当日になると聞いた。
だから昨日は仕方なく近くのビジネスホテルに泊まったんだ。
今朝は早くに一度職員室に来て欲しいと連絡があったから、そのことだと思っていたのに……。
「うっ……その、だな……」
あたしのごく自然なはずの疑問に、一気に歯切れが悪くなる加藤先生。
嫌な予感に眉を寄せた。
「実はそっちが本題なんだが……」
え? じゃあ今までのは? 単なる前置き?
「女子寮は……開寮しないことになった……」
「……へ?」
「いくら何でも一人の生徒だけに使うわけにはいかなくてな……」
気まずそうに管理費がどうとか言っていたけれど、あたしは頭の中が真っ白になってその辺りのことはちゃんと聞いていなかった。
あたしの勢いに押されてか戸惑いを見せる加藤先生。
でも確かにOKの返事をもらった。
「絶対ですよ!」
念を押すとコクコクと何度も頷いてくれたので、やっとあたしは落ち着くことが出来る。
ホッとして少し温くなった緑茶を口に運ぶ。
その温かさにも安心して落ち着いたあたしは、ふと疑問を口にする。
「こんな早くに呼び出されたのはその話をするためですか? てっきり寮の部屋が決まったから荷物を持って行けって言われるのかと思ってました」
新しく建てた女子寮の最終点検が押していて、入寮は入学式当日になると聞いた。
だから昨日は仕方なく近くのビジネスホテルに泊まったんだ。
今朝は早くに一度職員室に来て欲しいと連絡があったから、そのことだと思っていたのに……。
「うっ……その、だな……」
あたしのごく自然なはずの疑問に、一気に歯切れが悪くなる加藤先生。
嫌な予感に眉を寄せた。
「実はそっちが本題なんだが……」
え? じゃあ今までのは? 単なる前置き?
「女子寮は……開寮しないことになった……」
「……へ?」
「いくら何でも一人の生徒だけに使うわけにはいかなくてな……」
気まずそうに管理費がどうとか言っていたけれど、あたしは頭の中が真っ白になってその辺りのことはちゃんと聞いていなかった。