【短編】最強総長は隠れ狼姫を惑わしたい。
***
「え? 暴走族?」
《氷龍》について話を聞いたあたしは食べていたうどんを飲みこんでから聞き返す。
「そ、この高校付近を取り仕切ってるチームなんだ、《氷龍》は」
圭は答えて、カレーライスを口に運ぶ。
美味しそうにもぐもぐしている姿はやっぱり天使なのに、目の前のこの彼もその暴走族《氷龍》のメンバーなんだそうだ。
それを聞くとさっきの鋭い視線も納得だけれど、でもまた別の疑問も湧いてくる。
「じゃあ、あたしが《氷龍》の管轄ってどういうこと?」
《氷龍》どころか暴走族なんてものがあること自体聞いていないし知らない。
なのに何故聞いたこともないチームの支配を受けることになっているのか。
勝手に決めないで欲しい。
「まあ、リィナがって言うか、新入生の女子は強制的にそうするようにって迅さん――あ、総長の名前な? その迅さんが決めたんだ」
「はぁ⁉」
「あ、言っとくけど悪いように扱うためじゃないからな?」
不満の声を上げようとしたあたしに、圭はすかさずフォローを口にした。
「え? 暴走族?」
《氷龍》について話を聞いたあたしは食べていたうどんを飲みこんでから聞き返す。
「そ、この高校付近を取り仕切ってるチームなんだ、《氷龍》は」
圭は答えて、カレーライスを口に運ぶ。
美味しそうにもぐもぐしている姿はやっぱり天使なのに、目の前のこの彼もその暴走族《氷龍》のメンバーなんだそうだ。
それを聞くとさっきの鋭い視線も納得だけれど、でもまた別の疑問も湧いてくる。
「じゃあ、あたしが《氷龍》の管轄ってどういうこと?」
《氷龍》どころか暴走族なんてものがあること自体聞いていないし知らない。
なのに何故聞いたこともないチームの支配を受けることになっているのか。
勝手に決めないで欲しい。
「まあ、リィナがって言うか、新入生の女子は強制的にそうするようにって迅さん――あ、総長の名前な? その迅さんが決めたんだ」
「はぁ⁉」
「あ、言っとくけど悪いように扱うためじゃないからな?」
不満の声を上げようとしたあたしに、圭はすかさずフォローを口にした。