乳房星(たらちねぼし)〜再出発版
【恨み節】
時は5月6日の午前11時半頃であった。
ところ変わって、今治市松本町にある小さな教会にて…
教会では、一組のカップルの挙式《けっこんしき》が挙行される予定であった。
チャペル内に波止浜の母子保護施設で暮らしているお母さま方たちとお子さまたちと新婦新郎《おふたり》の小学校・中学校・高校から短大《メートク》時代の友人知人たちが集まっていた。
新婦新郎《おしきのしゅやく》は、母子保護施設で暮らしていた子ども同士である。
新婦は鳥居ゆりこちゃん(以後ゆりこと表記)、新郎は尾儀原健太《おぎわらけんた》(以後健太と表記)くんであった。
ゆりこと健太は、私と一緒に母子保護施設で暮らしていた。
健太は、私が生まれてから2年後にオカンと一緒にケーサツに保護されたあと施設にやって来た。
ゆりこは、私が生まれてから1年後にオカンと一緒にケーサツに保護されたあと施設にやって来た。
二組とも、オトンの暴力の被害を受けた…
DVオトンは、ふたりとも亡くなった…
ゆりこのオトンは交通事故…
健太のオトンは、ヤクザともめごとを起こした末に拳銃《チャカ》で身体《ドタマ》ぶち抜かれた…
健太は、小学校に入る前にオカンが義父《こもちおとこ》と再婚したことを機に施設から出た…
ゆりこは、身寄りがいないので今も施設で暮らしている。
健太がオカンと一緒に施設を出たあとも、ゆりことお付き合いをしていた。
ゆりこと健太は、小学校から短大《メータン》卒まで同じ学校に通った…
1994年のクリスマスイブにふたりは結婚することを決めた。
そして、この日(5月6日)に慶《よろこ》びの日を迎えた。
ところ変わって、教会内にある新婦の控室《ひかえしつ》にて…
「くすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすん…くすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすん…」
純白のウェディングドレス姿のゆりこは、テーブルに顔をふせた状態でくすんくすんと泣いていた。
ゆりこと一緒に控室《ひかえしつ》の施設のスタッフさんたちは、ものすごく困った表情を浮かべていた。
ゆりこは、なんでくすんくすんと泣いているのか?
オカンがおらんけん泣きよんか?
答えは『ノー』である。
「くすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすん…くすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすん…よーくんがまだ来てないよぅ…よーくんがまだ来てないよぅ…くすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすん…くすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすん…」
ゆりこは、私がまだ教会《ここ》に来ていないことがつらいので泣いていた。
「くすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすん…くすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすん…よーくんに『結婚おめでとう…』と言ってほしいよぅ…くすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすん…よーくんのよろこんでいる顔がみたいよぅ…くすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすん…」
施設のスタッフさんたちは、腕組みをした状態で『ゆりこちゃん、もうええかげんにしてよ…』とつぶやいた。
さて、その頃であった。
私は、泉川(今治国際ホテル前)のバス停でバスを降りたあと母恵夢《ポエム》(洋菓子屋)と小松屋(宝くじ屋)付近の信号機がある交差点を右折したあと教会ヘ向かって歩いていた。
ヨリイさん(施設長)は、私に電話で)『紹介したい人がいるのよ…』と言うた。
この時、私はひどく落ち込んでいたので人と会うことがものすごくイヤだった。
紹介したい人って、誰やねん…
ようはこう言うことだろ…
ゆりこが健太と結婚するから代わりの女《ひと》でガマンしてね…
…と言うことだろ。
私は、教会ヘ行くことがものすごくイヤだ!!
こななむしゃくしゃした気持ちで人に会うのはイヤだ!!
ヨリイさんたち施設のスタッフさんたち…どころか、施設で暮らしていた同い年の子たちと顔を合わすのもイヤだ!!
とくに、健太と会うのはもっとイヤだ!!
健太は、クソ生意気なガキだ…
施設にいた時にゆりことイチャイチャイチャイチャしょった…
私は、小ちゃい時からずっとガマンして生きていたのに…
健太はゆりこと華の子ども時代をマンキツしていた…
アレ、ホンマに腹立つワ…
どないしよか…
やめようか…
それとも…
教会ヘ行こうか…
私は、ひどく迷っていた。
さて、その頃であった。
教会でひどいもめごとが発生した。
教会に健太のオカン・敏江が義父・周布作《しゅうさく》と周布作《しゅうさく》の連れ子で健太の義姉《おねえ》・美月《みづき》(31歳・バツヨン・ものうげな表情《つら》をしている)と義姉婿《おねえむこ》・伊織(37歳・ヒトツバシ卒の銀行員・えらそうなつらしとる)と周布作《しゅうさく》の最初の嫁の連れ子ふたりで義兄《おにい》・秀和《ひでかず》(34歳・ケイヤク)と温大《はると》(30歳・大学生〜一回生のまま)の5人と一緒にやって来た。
敏江たち6人家族は、健太とゆりこが結婚することが気に入らないのでものすごく怒っていた。
この時、施設のスタッフさんたち8人が新郎の控室《ひかえしつ》にやって来た。
スタッフさんたちに止められた敏江は、ものすごく怒った声で言うた。
「なんであなたたちがここに入って来たのよ!?うちは健太と大事なお話をしているのよ!!」
スタッフさんたちは、敏江に対して落ち着くようにと言うた。
「とにかく落ちついてください!!」
「あんたたちはぐいたらしいわね!!なんで落ち着かないといかんのよ!!」
「敏江さんが一方的にガーガーガーガーガーガーガーガーおらんでいたら、話し合いができなくなるわよ!!」
「あのね!!健太はうちら家族をないがしろにしたのよ!!」
たまりかねた伊織《いおり》は、ものすごく怒った声で敏江に言うた。
「義母《おかあ》さま!!冷静になってください!!」
敏江は、ものすごく怒った声で伊織《いおり》に言うた。
「うちはものすごく困っているのよ!!」
伊織《いおり》は、ものすごく怒った声で敏江に言うた。
「そういった話は、挙式《おしき》のあとにしてください!!」
敏江と伊織《いおり》の怒号は、教会の外にも響き渡った。
この時、私は教会の10メートル手前のところにいた。
この時、施設のスタッフさんのひとりが私に声をかけた。
「よーくん、よーくんおかえりなさい。」
「(ぼんやりとした表情で言う)えっ?おかえりなさいって?」
「よーくん、施設長さんが待っているから一緒に行こうね。」
スタッフさんはやさしい声で私に言うたが、私は『来るところを間違えた!!』と怒った声で言い返した。
スタッフさんは、困った声で私に言うた。
「間違ってなんかいないわよ…」
「なんやねん一体もう…なんでオレをここへ呼んだんぞ!?」
「なんでって…ゆりこちゃんと健太くんの結婚式…」
「オレに紹介したい人がいると言うのはそういうことか!?」
「よーくん、なに怒ってるのよぉ〜」
「ゆりこが健太と結婚するから代わりの女でがまんせえと言うに決まっとるわ!!」
「(ものすごく困った声で言う)違うわよ〜施設長さんは…」
「健太がオレからゆりこをドロボーしたからケンカしに来た!!」
「よーくん落ちついてよ〜」
そこへ、ヨリイさんがやって来た。
ヨリイさんは、ものすごく困った表情でスタッフさんに言うた。
「なにしてるのよ!!」
「施設長さん、よーくん説得してよ!!よーくんが健太くんとケンカしてやるといよんよ!!」
「そんなことよりもケーサツ呼んで!!敏江さんが『ヤクザ連れてくるわよ!!』というたのよ!!」
もうアカン…
ガマンならん…
思い切りブチ切れた私は、教会の中へ入った。
このあと、スタッフさんとヨリイさんは私のあとを追いかけて行った。
ところ変わって、健太がいる控室《ひかえしつ》にて…
敏江たちと健太は、控室《ひかえしつ》でもめごとを繰り広げていた。
そこへ、私がやって来た。
敏江は、私の顔を見るなりにのんきな声で言うた。
「あらよーくん…帰って来たのね。」
私は、ものすごく怒った声で言うた。
「これは一体なんやねん…オレに対してのあてつけか!?」
敏江は、ものすごく困った表情で私に言うた。
「よーくん、ひとりでなに怒ってるのよ?」
「オレにこう言いたいんだろ!!ゆりこは健太と結婚するから代わりの女でガマンせえと言いたいんだろ!!」
端にいたスタッフさんが私をなだめた。
「よーくん、違うのよ〜」
「ふざけるな!!」
健太は、ものすごく困った表情で言うた。
「よーくん、どうしたんだよ〜」
「どうしたもこうしたもあるか!!」
「よーくん落ちついてよ~」
「もうええわ!!ここから出て行くワ!!」
「よーくん…」
そこへ、純白のウェディングドレス姿のゆりこがやって来た。
(ゴツーン!!)
ブチ切れたゆりこは、私の背中にリンゴを投げつけたあとものすごく怒った声で言うた。
「ひどい!!あんまりよ!!」
私は、ものすごく怒った声でゆりこに言うた。
「なんやねん急に!!」
「よーくんは素直によろこんでくれると信じていたのになんなのよ!!」
ヨリイさんは、ものすごく怒った声でゆりこに言うた。
「ゆりこちゃん!!落ち着きなさい!!」
ゆりこは、ものすごく怒った声でヨリイさんに言うた。
「先生!!よーくんはゆりこと健太さんの結婚にけちつけたのよ!!」
私は、ものすごく怒った声でゆりこに言い返した。
「オレがいつゆりこと健太の結婚にけちをつけたんぞ!?」
「ゆりこと健太さんの結婚を素直によろこべないよーくんなんかだーいきらい!!」
「ほんなら出てったらぁ〜!!」
「出て行ってよ!!よーくんなんかだーーーーーーーーいきらーーーーーい!!」
ゆりこからし烈な声で怒鳴られた私は、ショルダーバッグを持って教会から出て行った。
どーでもせえ…
って言うかふざけんじゃねえよ!!
なにが素直によろこべだ!!
私は、ものすごく怒った表情でつぶやきながら教会から出ていった。
それを見ていた健太は、ものすごく悲しい表情でゆりこに言うた。
「ゆりこちゃん…やめにしよや…ぼくは…ゆりこちゃんを幸せにする自信がないんだよ…」
健太は、悲しげな表情で控室《ひかえしつ》から出ていった。
「健太さん…健太さん待って!!」
ゆりこは、健太のあとを追って外へ出ていった。
このあと、ゆりこと健太はひどい大ゲンカを起こした。
その末に、健太はゆりこの顔を平手打ちでたたいてしまった。
その頃、私は中央消防署付近の歩道を通って今治駅ヘ向かった。
ゆりこと健太の結婚は、健太がゆりこに対して暴力をふるったことが原因でワヤになった…
…という事をしるしておく。
ところ変わって、今治市松本町にある小さな教会にて…
教会では、一組のカップルの挙式《けっこんしき》が挙行される予定であった。
チャペル内に波止浜の母子保護施設で暮らしているお母さま方たちとお子さまたちと新婦新郎《おふたり》の小学校・中学校・高校から短大《メートク》時代の友人知人たちが集まっていた。
新婦新郎《おしきのしゅやく》は、母子保護施設で暮らしていた子ども同士である。
新婦は鳥居ゆりこちゃん(以後ゆりこと表記)、新郎は尾儀原健太《おぎわらけんた》(以後健太と表記)くんであった。
ゆりこと健太は、私と一緒に母子保護施設で暮らしていた。
健太は、私が生まれてから2年後にオカンと一緒にケーサツに保護されたあと施設にやって来た。
ゆりこは、私が生まれてから1年後にオカンと一緒にケーサツに保護されたあと施設にやって来た。
二組とも、オトンの暴力の被害を受けた…
DVオトンは、ふたりとも亡くなった…
ゆりこのオトンは交通事故…
健太のオトンは、ヤクザともめごとを起こした末に拳銃《チャカ》で身体《ドタマ》ぶち抜かれた…
健太は、小学校に入る前にオカンが義父《こもちおとこ》と再婚したことを機に施設から出た…
ゆりこは、身寄りがいないので今も施設で暮らしている。
健太がオカンと一緒に施設を出たあとも、ゆりことお付き合いをしていた。
ゆりこと健太は、小学校から短大《メータン》卒まで同じ学校に通った…
1994年のクリスマスイブにふたりは結婚することを決めた。
そして、この日(5月6日)に慶《よろこ》びの日を迎えた。
ところ変わって、教会内にある新婦の控室《ひかえしつ》にて…
「くすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすん…くすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすん…」
純白のウェディングドレス姿のゆりこは、テーブルに顔をふせた状態でくすんくすんと泣いていた。
ゆりこと一緒に控室《ひかえしつ》の施設のスタッフさんたちは、ものすごく困った表情を浮かべていた。
ゆりこは、なんでくすんくすんと泣いているのか?
オカンがおらんけん泣きよんか?
答えは『ノー』である。
「くすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすん…くすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすん…よーくんがまだ来てないよぅ…よーくんがまだ来てないよぅ…くすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすん…くすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすん…」
ゆりこは、私がまだ教会《ここ》に来ていないことがつらいので泣いていた。
「くすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすん…くすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすん…よーくんに『結婚おめでとう…』と言ってほしいよぅ…くすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすん…よーくんのよろこんでいる顔がみたいよぅ…くすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすん…」
施設のスタッフさんたちは、腕組みをした状態で『ゆりこちゃん、もうええかげんにしてよ…』とつぶやいた。
さて、その頃であった。
私は、泉川(今治国際ホテル前)のバス停でバスを降りたあと母恵夢《ポエム》(洋菓子屋)と小松屋(宝くじ屋)付近の信号機がある交差点を右折したあと教会ヘ向かって歩いていた。
ヨリイさん(施設長)は、私に電話で)『紹介したい人がいるのよ…』と言うた。
この時、私はひどく落ち込んでいたので人と会うことがものすごくイヤだった。
紹介したい人って、誰やねん…
ようはこう言うことだろ…
ゆりこが健太と結婚するから代わりの女《ひと》でガマンしてね…
…と言うことだろ。
私は、教会ヘ行くことがものすごくイヤだ!!
こななむしゃくしゃした気持ちで人に会うのはイヤだ!!
ヨリイさんたち施設のスタッフさんたち…どころか、施設で暮らしていた同い年の子たちと顔を合わすのもイヤだ!!
とくに、健太と会うのはもっとイヤだ!!
健太は、クソ生意気なガキだ…
施設にいた時にゆりことイチャイチャイチャイチャしょった…
私は、小ちゃい時からずっとガマンして生きていたのに…
健太はゆりこと華の子ども時代をマンキツしていた…
アレ、ホンマに腹立つワ…
どないしよか…
やめようか…
それとも…
教会ヘ行こうか…
私は、ひどく迷っていた。
さて、その頃であった。
教会でひどいもめごとが発生した。
教会に健太のオカン・敏江が義父・周布作《しゅうさく》と周布作《しゅうさく》の連れ子で健太の義姉《おねえ》・美月《みづき》(31歳・バツヨン・ものうげな表情《つら》をしている)と義姉婿《おねえむこ》・伊織(37歳・ヒトツバシ卒の銀行員・えらそうなつらしとる)と周布作《しゅうさく》の最初の嫁の連れ子ふたりで義兄《おにい》・秀和《ひでかず》(34歳・ケイヤク)と温大《はると》(30歳・大学生〜一回生のまま)の5人と一緒にやって来た。
敏江たち6人家族は、健太とゆりこが結婚することが気に入らないのでものすごく怒っていた。
この時、施設のスタッフさんたち8人が新郎の控室《ひかえしつ》にやって来た。
スタッフさんたちに止められた敏江は、ものすごく怒った声で言うた。
「なんであなたたちがここに入って来たのよ!?うちは健太と大事なお話をしているのよ!!」
スタッフさんたちは、敏江に対して落ち着くようにと言うた。
「とにかく落ちついてください!!」
「あんたたちはぐいたらしいわね!!なんで落ち着かないといかんのよ!!」
「敏江さんが一方的にガーガーガーガーガーガーガーガーおらんでいたら、話し合いができなくなるわよ!!」
「あのね!!健太はうちら家族をないがしろにしたのよ!!」
たまりかねた伊織《いおり》は、ものすごく怒った声で敏江に言うた。
「義母《おかあ》さま!!冷静になってください!!」
敏江は、ものすごく怒った声で伊織《いおり》に言うた。
「うちはものすごく困っているのよ!!」
伊織《いおり》は、ものすごく怒った声で敏江に言うた。
「そういった話は、挙式《おしき》のあとにしてください!!」
敏江と伊織《いおり》の怒号は、教会の外にも響き渡った。
この時、私は教会の10メートル手前のところにいた。
この時、施設のスタッフさんのひとりが私に声をかけた。
「よーくん、よーくんおかえりなさい。」
「(ぼんやりとした表情で言う)えっ?おかえりなさいって?」
「よーくん、施設長さんが待っているから一緒に行こうね。」
スタッフさんはやさしい声で私に言うたが、私は『来るところを間違えた!!』と怒った声で言い返した。
スタッフさんは、困った声で私に言うた。
「間違ってなんかいないわよ…」
「なんやねん一体もう…なんでオレをここへ呼んだんぞ!?」
「なんでって…ゆりこちゃんと健太くんの結婚式…」
「オレに紹介したい人がいると言うのはそういうことか!?」
「よーくん、なに怒ってるのよぉ〜」
「ゆりこが健太と結婚するから代わりの女でがまんせえと言うに決まっとるわ!!」
「(ものすごく困った声で言う)違うわよ〜施設長さんは…」
「健太がオレからゆりこをドロボーしたからケンカしに来た!!」
「よーくん落ちついてよ〜」
そこへ、ヨリイさんがやって来た。
ヨリイさんは、ものすごく困った表情でスタッフさんに言うた。
「なにしてるのよ!!」
「施設長さん、よーくん説得してよ!!よーくんが健太くんとケンカしてやるといよんよ!!」
「そんなことよりもケーサツ呼んで!!敏江さんが『ヤクザ連れてくるわよ!!』というたのよ!!」
もうアカン…
ガマンならん…
思い切りブチ切れた私は、教会の中へ入った。
このあと、スタッフさんとヨリイさんは私のあとを追いかけて行った。
ところ変わって、健太がいる控室《ひかえしつ》にて…
敏江たちと健太は、控室《ひかえしつ》でもめごとを繰り広げていた。
そこへ、私がやって来た。
敏江は、私の顔を見るなりにのんきな声で言うた。
「あらよーくん…帰って来たのね。」
私は、ものすごく怒った声で言うた。
「これは一体なんやねん…オレに対してのあてつけか!?」
敏江は、ものすごく困った表情で私に言うた。
「よーくん、ひとりでなに怒ってるのよ?」
「オレにこう言いたいんだろ!!ゆりこは健太と結婚するから代わりの女でガマンせえと言いたいんだろ!!」
端にいたスタッフさんが私をなだめた。
「よーくん、違うのよ〜」
「ふざけるな!!」
健太は、ものすごく困った表情で言うた。
「よーくん、どうしたんだよ〜」
「どうしたもこうしたもあるか!!」
「よーくん落ちついてよ~」
「もうええわ!!ここから出て行くワ!!」
「よーくん…」
そこへ、純白のウェディングドレス姿のゆりこがやって来た。
(ゴツーン!!)
ブチ切れたゆりこは、私の背中にリンゴを投げつけたあとものすごく怒った声で言うた。
「ひどい!!あんまりよ!!」
私は、ものすごく怒った声でゆりこに言うた。
「なんやねん急に!!」
「よーくんは素直によろこんでくれると信じていたのになんなのよ!!」
ヨリイさんは、ものすごく怒った声でゆりこに言うた。
「ゆりこちゃん!!落ち着きなさい!!」
ゆりこは、ものすごく怒った声でヨリイさんに言うた。
「先生!!よーくんはゆりこと健太さんの結婚にけちつけたのよ!!」
私は、ものすごく怒った声でゆりこに言い返した。
「オレがいつゆりこと健太の結婚にけちをつけたんぞ!?」
「ゆりこと健太さんの結婚を素直によろこべないよーくんなんかだーいきらい!!」
「ほんなら出てったらぁ〜!!」
「出て行ってよ!!よーくんなんかだーーーーーーーーいきらーーーーーい!!」
ゆりこからし烈な声で怒鳴られた私は、ショルダーバッグを持って教会から出て行った。
どーでもせえ…
って言うかふざけんじゃねえよ!!
なにが素直によろこべだ!!
私は、ものすごく怒った表情でつぶやきながら教会から出ていった。
それを見ていた健太は、ものすごく悲しい表情でゆりこに言うた。
「ゆりこちゃん…やめにしよや…ぼくは…ゆりこちゃんを幸せにする自信がないんだよ…」
健太は、悲しげな表情で控室《ひかえしつ》から出ていった。
「健太さん…健太さん待って!!」
ゆりこは、健太のあとを追って外へ出ていった。
このあと、ゆりこと健太はひどい大ゲンカを起こした。
その末に、健太はゆりこの顔を平手打ちでたたいてしまった。
その頃、私は中央消防署付近の歩道を通って今治駅ヘ向かった。
ゆりこと健太の結婚は、健太がゆりこに対して暴力をふるったことが原因でワヤになった…
…という事をしるしておく。