乳房星(たらちねぼし)〜再出発版
【さよならだけの人生に・その2】
時は、夜8時過ぎであった。
またところ変わって、家の大広間にて…
大広間の食卓には、大番頭《おおばんと》はんとゆみさんと麗斗《かずと》充希《みつき》夫婦と下の子どもたちふたりがいた。
上の子どもたち3人は、友人たちと一緒に出かけていたので食卓にはいなかった。
テーブルの真ん中に、イワタニのカセットコンロの上に乗っている大きな土鍋が置かれていた。
この日の夕食はよせ鍋を予定していたが、大番頭《おおばんと》はんが鍋つゆのもとを買い忘れたので水炊きに変更された。
食卓の空気は、どす黒く淀んでいた。
そんな中であった。
下の子どもふたりが『ごはん食べん!!』と言うて席をけとばした。
その後、怒って食卓から出て行った。
それから30秒後であった。
ゆみさんは、ものすごく怒った声で大番頭《おおばんと》はんに言うた。
「おとーちゃん!!」
「なんやねんゆみ…」
「さっき、孫たちがごはんをたくさん残して行ったわよ!!あれ見てなんとも思わんの!?」
大番頭《おおばんと》はんは、ぼんやりとした表情で孫たちが座っていた席を見つめながら言うた。
「ホンマや…ぎょーさん残ってまんねん…」
ゆみさんは、ものすごく怒った声で大番頭《おおばんと》はんに言うた。
「おとーちゃん!!」
「なんやねんもう〜」
「おとーちゃんが鍋つゆのもとを買い忘れたからこないなったのよ!!」
「(泣きそうな声で)せやけん、そななことでいちいちおらぶねん…」
「おとーちゃん!!」
この時、大番頭《おおばんと》はんの向かいに座っていた麗斗《かずと》がつらい表情で言うた。
「ゆみねーちゃん、そないにガーガーおらぶなよ〜」
「なんやねんもう!!」
「せやから、そないにガーガーおらんだら、ごはんがまずくなるねん…」
麗斗《かずと》は、ゆみさんにそう言うたあと充希《みつき》に空のお茶わんを差し出しながら『おかわり…』と言うた。
充希《みつき》は、マゼンタのスクウェアタイプの日立のふっくら御膳《ごぜん》(圧力スチームIH炊飯器《ジャー》)のフタをあけたあと、空のお茶わんにしゃもじでごはんをついだ。
その後、充希《みつき》は麗斗《かずと》にごはんを差し出した。
それを見たゆみさんは、怒った声で麗斗《かずと》に言うた。
「麗斗《かずと》!!」
「ゆみねーちゃん〜」
「あんたは何杯ごはんを食べているのよ!?」
「オレがおかわりしたらアカンのか?」
ゆみさんは、ものすごく怒った声で麗斗《かずと》に言うた。
「麗斗《かずと》!!麗斗《かずと》はおとーちゃんの今の姿を見てなんとも思わないの!?」
「なんとも思わないのって…」
「おとーちゃんの様子がおかしくなったと言うのに、のんきにごはん食べている場合じゃないわよ!!」
麗斗《かずと》は、怒った声でゆみさんに言うた。
「ゆみねーちゃん、それはいくらなんでも言い過ぎや!!」
「なんやねんあんたはもう!!」
「ゆみねーちゃんこそなんやねん!!ゆみねーちゃんはなんでイワマツから離れたんだよ!!」
「はぐいたらしいわね!!」
ゆみさんの端にいた大番頭《おおばんと》はんがオタオタした表情でゆみさんと麗斗《かずと》を止めた。
「ゆみ、麗斗《かずと》…やめいや!!」
ゆみさんは、ものすごく怒った声で大番頭《おおばんと》はんに言うた。
「なんで止めるねん!!」
「オヤジ!!止めるなよ!!」
「気持ちは分かるけど、そないにガーガーおらばんでもええねん…」
ゆみさんは、ものすごい血相で麗斗《かずと》に言うた。
「ゆみはくやしいのよ!!ゆりねーちゃんとゆかねーちゃんとゆいねーちゃんとゆなねーちゃんはイワマツのメンバーたちと一緒にコンスタントに動いているのに…ゆみは出番がなくなったから活動できんなった…その上に、おとーちゃんが少しずつおかしくなって行く…ゆみはうんざりだわ!!」
「だからと言うて、八つ当たりすることないじゃないか!!」
「ますますはぐいたらしいわね!!」
ブチ切れたゆみさんは、麗斗《かずと》がのんでいた沢の鶴(日本酒)のあつかんが入っている徳利《とっくり》を手にしたあと麗斗《かずと》に酒をかけた。
「なにすんねん!!」
ブチ切れた麗斗《かずと》は、ゆみさんを突き飛ばした。
「なにすんねんドアホ!!」
「やるんか!!」
このあと、ゆみさんと麗斗《かずと》はドカバキの大ゲンカを繰り広げた。
充希《みつき》は、大急ぎでとなりの部屋に逃げ込んだ。
大番頭《おおばんと》はんは、その場に座り込んだあとひどくおびえていた。
ゆみさんと麗斗《かずと》のいびつなきょうだいゲンカは、数時間に渡ってつづいた。
またところ変わって、家の大広間にて…
大広間の食卓には、大番頭《おおばんと》はんとゆみさんと麗斗《かずと》充希《みつき》夫婦と下の子どもたちふたりがいた。
上の子どもたち3人は、友人たちと一緒に出かけていたので食卓にはいなかった。
テーブルの真ん中に、イワタニのカセットコンロの上に乗っている大きな土鍋が置かれていた。
この日の夕食はよせ鍋を予定していたが、大番頭《おおばんと》はんが鍋つゆのもとを買い忘れたので水炊きに変更された。
食卓の空気は、どす黒く淀んでいた。
そんな中であった。
下の子どもふたりが『ごはん食べん!!』と言うて席をけとばした。
その後、怒って食卓から出て行った。
それから30秒後であった。
ゆみさんは、ものすごく怒った声で大番頭《おおばんと》はんに言うた。
「おとーちゃん!!」
「なんやねんゆみ…」
「さっき、孫たちがごはんをたくさん残して行ったわよ!!あれ見てなんとも思わんの!?」
大番頭《おおばんと》はんは、ぼんやりとした表情で孫たちが座っていた席を見つめながら言うた。
「ホンマや…ぎょーさん残ってまんねん…」
ゆみさんは、ものすごく怒った声で大番頭《おおばんと》はんに言うた。
「おとーちゃん!!」
「なんやねんもう〜」
「おとーちゃんが鍋つゆのもとを買い忘れたからこないなったのよ!!」
「(泣きそうな声で)せやけん、そななことでいちいちおらぶねん…」
「おとーちゃん!!」
この時、大番頭《おおばんと》はんの向かいに座っていた麗斗《かずと》がつらい表情で言うた。
「ゆみねーちゃん、そないにガーガーおらぶなよ〜」
「なんやねんもう!!」
「せやから、そないにガーガーおらんだら、ごはんがまずくなるねん…」
麗斗《かずと》は、ゆみさんにそう言うたあと充希《みつき》に空のお茶わんを差し出しながら『おかわり…』と言うた。
充希《みつき》は、マゼンタのスクウェアタイプの日立のふっくら御膳《ごぜん》(圧力スチームIH炊飯器《ジャー》)のフタをあけたあと、空のお茶わんにしゃもじでごはんをついだ。
その後、充希《みつき》は麗斗《かずと》にごはんを差し出した。
それを見たゆみさんは、怒った声で麗斗《かずと》に言うた。
「麗斗《かずと》!!」
「ゆみねーちゃん〜」
「あんたは何杯ごはんを食べているのよ!?」
「オレがおかわりしたらアカンのか?」
ゆみさんは、ものすごく怒った声で麗斗《かずと》に言うた。
「麗斗《かずと》!!麗斗《かずと》はおとーちゃんの今の姿を見てなんとも思わないの!?」
「なんとも思わないのって…」
「おとーちゃんの様子がおかしくなったと言うのに、のんきにごはん食べている場合じゃないわよ!!」
麗斗《かずと》は、怒った声でゆみさんに言うた。
「ゆみねーちゃん、それはいくらなんでも言い過ぎや!!」
「なんやねんあんたはもう!!」
「ゆみねーちゃんこそなんやねん!!ゆみねーちゃんはなんでイワマツから離れたんだよ!!」
「はぐいたらしいわね!!」
ゆみさんの端にいた大番頭《おおばんと》はんがオタオタした表情でゆみさんと麗斗《かずと》を止めた。
「ゆみ、麗斗《かずと》…やめいや!!」
ゆみさんは、ものすごく怒った声で大番頭《おおばんと》はんに言うた。
「なんで止めるねん!!」
「オヤジ!!止めるなよ!!」
「気持ちは分かるけど、そないにガーガーおらばんでもええねん…」
ゆみさんは、ものすごい血相で麗斗《かずと》に言うた。
「ゆみはくやしいのよ!!ゆりねーちゃんとゆかねーちゃんとゆいねーちゃんとゆなねーちゃんはイワマツのメンバーたちと一緒にコンスタントに動いているのに…ゆみは出番がなくなったから活動できんなった…その上に、おとーちゃんが少しずつおかしくなって行く…ゆみはうんざりだわ!!」
「だからと言うて、八つ当たりすることないじゃないか!!」
「ますますはぐいたらしいわね!!」
ブチ切れたゆみさんは、麗斗《かずと》がのんでいた沢の鶴(日本酒)のあつかんが入っている徳利《とっくり》を手にしたあと麗斗《かずと》に酒をかけた。
「なにすんねん!!」
ブチ切れた麗斗《かずと》は、ゆみさんを突き飛ばした。
「なにすんねんドアホ!!」
「やるんか!!」
このあと、ゆみさんと麗斗《かずと》はドカバキの大ゲンカを繰り広げた。
充希《みつき》は、大急ぎでとなりの部屋に逃げ込んだ。
大番頭《おおばんと》はんは、その場に座り込んだあとひどくおびえていた。
ゆみさんと麗斗《かずと》のいびつなきょうだいゲンカは、数時間に渡ってつづいた。