乳房星(たらちねぼし)〜再出発版
【釜山港へ帰れ】
時は、午後1時過ぎであった。
私は、下関市内のあちらこちらを歩き回ってゆかさんを探していた。
タイムリミットは夕方5時…
それまでにゆかさんを見つけないとなにもかもが終《しま》いだ…
夕方4時までの間に下関市内のあちらこちらの地区を回ってゆかさんを見かけなかったかと聞いたが、返ってきた答えは全て『ノー』であった。
そうこうして行くうちに、タイムリミットに設定した夕方5時が近づいた。
もう時間がない…
急がなきゃ…
夕方4時半頃であった。
ところ変わって、唐戸桟橋の待合室にて…
この時、ゆかさんの高校時代に同じクラスにいたことがある男性と会った。
私は、ゆかさんの知人の男性に対してゆかさんと会わなかったかどうかをたずねた。
男性は、私にゆかさんと会ったことを話した。
「ああ、君波のゆかちゃんね…会ったよ。」
「えっ!?ホンマでっか!?」
「ホンマにホンマや。」
「あの〜…ゆかさんはいつごろここにお越しになられたのですか?」
「(のんきな声で)あ〜、ゆかちゃんだったら、きのうまでここにいたよ。」
「(おどろいた声で)きのう!?」
「(のんきな声で)うん。」
ちょっと待たんかい…
話がゼンゼンちがうやないかぇ…
……………
ちょっと待てよ…
きのうの今ごろまでゆかさんが下関《ここ》に滞在していたとゆかさんの知人の男性が言うた…
…と言うことは…
まっ…
まさか…
や~な予感がした。
私は、男性に対してゆかさんのことを改めてたずねてみた。
「あの〜、すんまへん…もう一度おたずねしますが、ゆかさんはきのうまでここにいたのですね?」
「(のんきな声で)そうだよ。」
「あの…あと20分で関釜《かんぷ》フェリーの乗船締切時刻《しめきりじこく》が来るのです!!」
私の問いに対して、男性はのんきな声で答えた。
「ああ、ゆかちゃんが乗った関釜《かんぷ》フェリーは…きのうの便だったよ。」
「(すっとんきょうな声を上げる)きのう!?」
「そうだよ。」
しまった!!
ゆかさんが乗船予定《のるよてい》の関釜《かんぷ》フェリーは…
きょうじゃなくて…
きのうの便だった!!(大絶叫)
ああああああああああああああああああああああああああ!!
大失敗した!!
男性からことの次第を聞いた私は、顔が真っ青になった。
男性は、私に声をかけた。
「ぼうや、大丈夫?」
私は、青ざめた表情で男性に言うた。
「あの〜、他にゆかさんのことをご存知の方はいらっしゃいますか?」
男性は、のんきな声で私に言うた。
「せやな…いるのはいるけれど、ほとんど『いそがしい…』といよる人たちばかりだから…」
「けっこうです…あの…おいそがしい時に、いらんこと聞いてすんまへんでした。」
(ボーッ、ボーッ、ボーッ…)
またところ変わって、下関港国際ターミナル付近にある公園にて…
時は、夕方6時過ぎであった。
桟橋から釜山《プサン》行きの関釜《かんぷ》フェリーが出航《しゅっこう》した。
公園のベンチに座っている私は、(昭文社の)九州の道路地図の下関のページをひらいて、きょうたずねた場所を赤のラッションペンでしるしをつけた。
きょう1日、下関市内《しない》のあちらこちらを歩いて回ったが、ゆかさんはどこにもいなかった。
今ごろ、ゆかさんは韓国にいると思う…
ゆかさんは、韓国でやりたいことが見つかったので気持ちが変わったかもしれない…
同時に、大番頭《おおばんと》はんたちの行方が分からなくなった…
これにより、イワマツを作るプロジェクトができなくなった…
どないしょう…
どないしたらええねん…
私は、下関市内のあちらこちらを歩き回ってゆかさんを探していた。
タイムリミットは夕方5時…
それまでにゆかさんを見つけないとなにもかもが終《しま》いだ…
夕方4時までの間に下関市内のあちらこちらの地区を回ってゆかさんを見かけなかったかと聞いたが、返ってきた答えは全て『ノー』であった。
そうこうして行くうちに、タイムリミットに設定した夕方5時が近づいた。
もう時間がない…
急がなきゃ…
夕方4時半頃であった。
ところ変わって、唐戸桟橋の待合室にて…
この時、ゆかさんの高校時代に同じクラスにいたことがある男性と会った。
私は、ゆかさんの知人の男性に対してゆかさんと会わなかったかどうかをたずねた。
男性は、私にゆかさんと会ったことを話した。
「ああ、君波のゆかちゃんね…会ったよ。」
「えっ!?ホンマでっか!?」
「ホンマにホンマや。」
「あの〜…ゆかさんはいつごろここにお越しになられたのですか?」
「(のんきな声で)あ〜、ゆかちゃんだったら、きのうまでここにいたよ。」
「(おどろいた声で)きのう!?」
「(のんきな声で)うん。」
ちょっと待たんかい…
話がゼンゼンちがうやないかぇ…
……………
ちょっと待てよ…
きのうの今ごろまでゆかさんが下関《ここ》に滞在していたとゆかさんの知人の男性が言うた…
…と言うことは…
まっ…
まさか…
や~な予感がした。
私は、男性に対してゆかさんのことを改めてたずねてみた。
「あの〜、すんまへん…もう一度おたずねしますが、ゆかさんはきのうまでここにいたのですね?」
「(のんきな声で)そうだよ。」
「あの…あと20分で関釜《かんぷ》フェリーの乗船締切時刻《しめきりじこく》が来るのです!!」
私の問いに対して、男性はのんきな声で答えた。
「ああ、ゆかちゃんが乗った関釜《かんぷ》フェリーは…きのうの便だったよ。」
「(すっとんきょうな声を上げる)きのう!?」
「そうだよ。」
しまった!!
ゆかさんが乗船予定《のるよてい》の関釜《かんぷ》フェリーは…
きょうじゃなくて…
きのうの便だった!!(大絶叫)
ああああああああああああああああああああああああああ!!
大失敗した!!
男性からことの次第を聞いた私は、顔が真っ青になった。
男性は、私に声をかけた。
「ぼうや、大丈夫?」
私は、青ざめた表情で男性に言うた。
「あの〜、他にゆかさんのことをご存知の方はいらっしゃいますか?」
男性は、のんきな声で私に言うた。
「せやな…いるのはいるけれど、ほとんど『いそがしい…』といよる人たちばかりだから…」
「けっこうです…あの…おいそがしい時に、いらんこと聞いてすんまへんでした。」
(ボーッ、ボーッ、ボーッ…)
またところ変わって、下関港国際ターミナル付近にある公園にて…
時は、夕方6時過ぎであった。
桟橋から釜山《プサン》行きの関釜《かんぷ》フェリーが出航《しゅっこう》した。
公園のベンチに座っている私は、(昭文社の)九州の道路地図の下関のページをひらいて、きょうたずねた場所を赤のラッションペンでしるしをつけた。
きょう1日、下関市内《しない》のあちらこちらを歩いて回ったが、ゆかさんはどこにもいなかった。
今ごろ、ゆかさんは韓国にいると思う…
ゆかさんは、韓国でやりたいことが見つかったので気持ちが変わったかもしれない…
同時に、大番頭《おおばんと》はんたちの行方が分からなくなった…
これにより、イワマツを作るプロジェクトができなくなった…
どないしょう…
どないしたらええねん…