乳房星(たらちねぼし)〜再出発版

【ワルツ】

下関でゆかさんと会うことができなかった私は、6月26日に京阪神《アーバンネットワークエリア》へ引き返すことにした。

私は、JR小倉駅から始発の新幹線ひかり東京行きに乗って新大阪駅まで行った。

新大阪駅で新幹線を降りた私は、もう一度ゆかさんを探すことを決めた。

6月26日から30日にかけて京阪神《アーバンネットワークエリア》の各地を回って、ゆかさんの足取りを探し回った。

しかし、この5日の間も成果を得ることはできなかった。

アカン…

もうだめ…

つかれた…

私の気持ちは、今にもギブアップ寸前まで追いつめられた。

時は、6月30日の正午前であった。

私は、JR大阪駅のコンコースにあるベンチに座って考えごとをしていた。

そんな時であった。

(ポンポン…)

私の後ろに、黒スーツ姿の男がやってきて肩をポンポンとたたいた。

黒スーツ姿の男は、ふりかえった私に四つ折りのデイリースポーツを手渡したあと立ち去った。

私は、四つ折りの新聞をひらいて新聞を見た。

この時、ピンク色のフセンシが貼られていたのを見たので、ひらいてみた。

そしたら…

やっぱり…

またお色気欄かよ…

あのヤローがスポーツ紙のエロい面しか読まんことがよぉわかったわ…

この時、下の広告欄にピンク色の蛍光ペンで囲まれている三行広告《こうこく》を見つけた。

溝端屋のダンナは、ソートー怒ってまっせ〜…

ワケが知りたいのであれば、日田へ行きなはれ…

ヒヒヒヒヒヒ…

三行広告《こうこく》を見た私は、全身をブルブル震わせながら怒り狂った。

そらそやわ…

6月5日に多度津の桃陵公園《とうりょうこうえん》で健太が溝端屋のダンナをボコボコにどつき回した…

6月24日に用心棒《ケツモチ》を務めていた風早連合《かざはやれんごう》の組長が健太に殺された…

溝端屋のダンナは、健太に対してよりし烈な怒りを抱えている…

そのように考えたら…

危ない…

非常に危ないぞ…

(ゴーッ…)

午後2時頃であった。

私は、大阪伊丹国際空港から福岡行きの日本エアシステム機(現・日本航空)に乗って再び旅に出た。

福岡空港に到着したあと、私は地下鉄に乗って天神駅まで行った。

夕方4時頃、天神バスターミナルから日田行きのスーパーノンストップ高速バスに乗った。

JR日田駅のバスターミナルに到着したのは、夕方5時40分くらいだったと思う。

高速バスを降りた私は、タクシーに乗って溝端屋のダンナたちが泊まる旅館へ向かった。

旅館には、夕方6時10分頃に到着した。

私は、『魚崎』と言う名前で旅館に宿泊することにした。

私が到着した頃、溝端屋のダンナたちは筑後川でひらかれている鵜飼《うか》い船の遊覧に出かけていた。

私が宿泊する部屋は、溝端屋のダンナが宿泊するとなりにあった。

たぶん、密談は深夜0時以降に行われるだろう…

この手で…

事件の真相を暴いたる(怒)
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