乳房星(たらちねぼし)〜再出発版
【ブランデーグラス】
時は、7月16日の午後2時過ぎであった。
ところ変わって、小倉競輪場にて…
(ジャーン!!ジャーン!!ジャーン!!)
場内に3周目(勝負開始)の鐘《ジャン》が鳴り響いた。
9台の自転車に乗っている選手たちが一斉に走り出した。
選手たちが乗っている9台の自転車が一周まわり終えたあと、鐘《ジャン》が激しく乱打した。
(ジャンジャンジャンジャンジャンジャンジャンジャンジャンジャンジャンジャンジャンジャンジャンジャンジャンジャンジャンジャンジャンジャンジャンジャンジャンジャンジャンジャンジャンジャンジャンジャンジャンジャンジャンジャンジャンジャンジャンジャンジャンジャン…ワーワーワーワーワーワーワーワーワーワーワーワーワーワーワーワーワーワーワーワーワーワーワーワーワーワーワーワーワーワーワーワーワーワーワーワー…ジャンジャンジャンジャンジャンジャンジャンジャンジャンジャンジャンジャンジャンジャンジャンジャンジャンジャンジャンジャンジャンジャンジャンジャンジャンジャン…)
激しく鳴り響く鐘《ジャン》と観客席《スタンド》にいる観客たちの叫び声が場内に響いた。
その頃、私はスナックコーナーのチュウボウでめん類を入れる時に使うどんぶりの洗い物のバイトをしていた。
時は、夜7時半頃であった。
またところ変わって、小倉魚町《こくらうおまち》の旦過市場《たんがいちば》にある居酒屋《ノミヤ》にて…
私は、サバの味噌煮《みそに》と枝豆《えだまめ》を肴《さかな》にいいちこ(大分麦焼酎)の水割りをのんでいた。
きょう1日、何ごともなく終わればいいけど…
そんな時にかぎって、ややこしいもめ事に巻き込まれてしまうのであった。
時は、夜10時過ぎであった。
居酒屋《ノミヤ》を出た私は、市場の中の通りをゆっくりと歩いていた。
通りのスピーカーから石原裕次郎さんの歌で『ブランデーグラス』が流れていた。
この時、私はまた大失態をやらかしてもうた。
私は、市場の露地《ろじ》へ迷い込んでしまった。
そこでまたおそろしい事件を目撃した。
事件は、私がいる場所から300メートル先で発生した。
私は、事件現場の100メートル手前で足を止めたあと身をひそめた状態で様子をうかがった。
事件現場には、男ふたりがいた。
ひとりは、溝端屋のダンナを斬《き》った福成寺《ふくじょうじ》…
そしてもうひとりは…
健太であった。
健太は、ものすごく血相で怒り狂っていた。
福成寺《ふくじょうじ》は女々しい声で健太に命乞いをした。
「こらえてくれぇ〜命《たま》だけはこらえてくれぇ〜」
健太は、刃渡りのするどいナイフで福成寺《ふくじょうじ》をおどしながら言うた。
「ふざけるなクソガキャ!!」
「殺さないでくれぇ〜」
「オドレクソガキャ!!オドレの用心棒《ケツモチ》は誰や!?」
「ケツモチ…」
「オドレの用心棒《ケツモチ》はどこの組や!!」
「アニキ…アニキ…ヒィィィィィィィィィィィィ…」
健太は、ナイフをふりまわしながら福成寺《ふくじょうじ》を怒鳴りつけた。
「オドレの用心棒《ケツモチ》は大井野會《おおいのかい》か!?」
「ヒィィィィィィィィィィィィィィィィィィ…」
「なんとか言え!!」
「アニキ助けてくれ〜」
「ぶっ殺してやる!!」
「イヤだ!!死にたくない!!」
「ふざけるなクソガキャ!!ゆりこちゃんをドロボーしたからぶっ殺してやる!!」
「許してくれぇ~」
「なんでゆりこちゃんをドロボーした!?」
「さみしかったんだよ…風早連合《かざはや》からゼツエンされたあと…他に行くところがなかった…親きょうだいからカンドーされた…グワワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」
健太は、福成寺《ふくじょうじ》の背中をナイフで激しく斬《き》りつけた。
私は、身をかがめた状態でゆっくりと現場から逃げ出した。
私がもとの場所に出てから3分後に福成寺《ふくじょうじ》は健太に殺されたようだ。
もとの場所に出た私は、歩いてJR小倉駅へ向かった。
それからしばらくして、大井野會《おおいのかい》の構成員《チンピラ》たちが事件現場の露地《ろじ》にやって来た。
事件現場にて…
構成員《チンピラ》のひとりが福成寺《ふくじょうじ》に声をかけた。
「アニキ…」
「おい、どうした!?」
「アニキ…(ガクッ)」
健太に斬《き》られた福成寺《ふくじょうじ》は、死亡した
「福成寺《ふくじょうじ》!!」
「テメー!!よくも俺たちの仲間を殺したな!!」
「オドレらも福成寺《クソガキ》とグルになってゆりこちゃんをドロボーしたからぶっ殺してやる!!」
(ズドーン!!ズドーン!!ズドーン!!)
健太は、隠し持っていた拳銃《チャカ》で大井野會《おおいのかい》の構成員《チンピラ》たちを撃ち殺した。
その頃であった。
私は、JR小倉駅から新幹線こだま号に乗って博多駅へ向かっていた。
今の健太は、非常に危険だ…
健太は…
ゆりこをドロボーした福成寺《ふくじょうじ》だけではなく…
ゆりこが好きだった複数の男の子たちや男性たちもうらんでいた。
健太は、福成寺《ふくじょうじ》をふくめてゆりこが好きだった男の子たちや男性たちも殺していたと思う…
健太は、私に対しても激しいうらみを抱えている…
逃げなきゃ…
命《たま》とられる前に大急ぎで逃げなきゃ…
ところ変わって、小倉競輪場にて…
(ジャーン!!ジャーン!!ジャーン!!)
場内に3周目(勝負開始)の鐘《ジャン》が鳴り響いた。
9台の自転車に乗っている選手たちが一斉に走り出した。
選手たちが乗っている9台の自転車が一周まわり終えたあと、鐘《ジャン》が激しく乱打した。
(ジャンジャンジャンジャンジャンジャンジャンジャンジャンジャンジャンジャンジャンジャンジャンジャンジャンジャンジャンジャンジャンジャンジャンジャンジャンジャンジャンジャンジャンジャンジャンジャンジャンジャンジャンジャンジャンジャンジャンジャンジャンジャン…ワーワーワーワーワーワーワーワーワーワーワーワーワーワーワーワーワーワーワーワーワーワーワーワーワーワーワーワーワーワーワーワーワーワーワーワー…ジャンジャンジャンジャンジャンジャンジャンジャンジャンジャンジャンジャンジャンジャンジャンジャンジャンジャンジャンジャンジャンジャンジャンジャンジャンジャン…)
激しく鳴り響く鐘《ジャン》と観客席《スタンド》にいる観客たちの叫び声が場内に響いた。
その頃、私はスナックコーナーのチュウボウでめん類を入れる時に使うどんぶりの洗い物のバイトをしていた。
時は、夜7時半頃であった。
またところ変わって、小倉魚町《こくらうおまち》の旦過市場《たんがいちば》にある居酒屋《ノミヤ》にて…
私は、サバの味噌煮《みそに》と枝豆《えだまめ》を肴《さかな》にいいちこ(大分麦焼酎)の水割りをのんでいた。
きょう1日、何ごともなく終わればいいけど…
そんな時にかぎって、ややこしいもめ事に巻き込まれてしまうのであった。
時は、夜10時過ぎであった。
居酒屋《ノミヤ》を出た私は、市場の中の通りをゆっくりと歩いていた。
通りのスピーカーから石原裕次郎さんの歌で『ブランデーグラス』が流れていた。
この時、私はまた大失態をやらかしてもうた。
私は、市場の露地《ろじ》へ迷い込んでしまった。
そこでまたおそろしい事件を目撃した。
事件は、私がいる場所から300メートル先で発生した。
私は、事件現場の100メートル手前で足を止めたあと身をひそめた状態で様子をうかがった。
事件現場には、男ふたりがいた。
ひとりは、溝端屋のダンナを斬《き》った福成寺《ふくじょうじ》…
そしてもうひとりは…
健太であった。
健太は、ものすごく血相で怒り狂っていた。
福成寺《ふくじょうじ》は女々しい声で健太に命乞いをした。
「こらえてくれぇ〜命《たま》だけはこらえてくれぇ〜」
健太は、刃渡りのするどいナイフで福成寺《ふくじょうじ》をおどしながら言うた。
「ふざけるなクソガキャ!!」
「殺さないでくれぇ〜」
「オドレクソガキャ!!オドレの用心棒《ケツモチ》は誰や!?」
「ケツモチ…」
「オドレの用心棒《ケツモチ》はどこの組や!!」
「アニキ…アニキ…ヒィィィィィィィィィィィィ…」
健太は、ナイフをふりまわしながら福成寺《ふくじょうじ》を怒鳴りつけた。
「オドレの用心棒《ケツモチ》は大井野會《おおいのかい》か!?」
「ヒィィィィィィィィィィィィィィィィィィ…」
「なんとか言え!!」
「アニキ助けてくれ〜」
「ぶっ殺してやる!!」
「イヤだ!!死にたくない!!」
「ふざけるなクソガキャ!!ゆりこちゃんをドロボーしたからぶっ殺してやる!!」
「許してくれぇ~」
「なんでゆりこちゃんをドロボーした!?」
「さみしかったんだよ…風早連合《かざはや》からゼツエンされたあと…他に行くところがなかった…親きょうだいからカンドーされた…グワワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」
健太は、福成寺《ふくじょうじ》の背中をナイフで激しく斬《き》りつけた。
私は、身をかがめた状態でゆっくりと現場から逃げ出した。
私がもとの場所に出てから3分後に福成寺《ふくじょうじ》は健太に殺されたようだ。
もとの場所に出た私は、歩いてJR小倉駅へ向かった。
それからしばらくして、大井野會《おおいのかい》の構成員《チンピラ》たちが事件現場の露地《ろじ》にやって来た。
事件現場にて…
構成員《チンピラ》のひとりが福成寺《ふくじょうじ》に声をかけた。
「アニキ…」
「おい、どうした!?」
「アニキ…(ガクッ)」
健太に斬《き》られた福成寺《ふくじょうじ》は、死亡した
「福成寺《ふくじょうじ》!!」
「テメー!!よくも俺たちの仲間を殺したな!!」
「オドレらも福成寺《クソガキ》とグルになってゆりこちゃんをドロボーしたからぶっ殺してやる!!」
(ズドーン!!ズドーン!!ズドーン!!)
健太は、隠し持っていた拳銃《チャカ》で大井野會《おおいのかい》の構成員《チンピラ》たちを撃ち殺した。
その頃であった。
私は、JR小倉駅から新幹線こだま号に乗って博多駅へ向かっていた。
今の健太は、非常に危険だ…
健太は…
ゆりこをドロボーした福成寺《ふくじょうじ》だけではなく…
ゆりこが好きだった複数の男の子たちや男性たちもうらんでいた。
健太は、福成寺《ふくじょうじ》をふくめてゆりこが好きだった男の子たちや男性たちも殺していたと思う…
健太は、私に対しても激しいうらみを抱えている…
逃げなきゃ…
命《たま》とられる前に大急ぎで逃げなきゃ…