乳房星(たらちねぼし)〜再出発版
【愛は流れる・その2】
(グォーーーーーーーーーーーーーーッ!!)
時は、9月30日の午後3時過ぎであった。
台風24号は、中心付近の気圧が930ヘクトパスカル・最大風速は100ノット(50メートル)に変わった。
しかし、カテゴリー5に相当する危険な状態であることに変わりはなかった。
夕方5時過ぎに台風の中心が紀伊半島に上陸したあと、非常に強い勢力を保ったまま東海道一帯を進む見込みだ…
四国地方は台風の中心から離れているが、猛烈な雨を降らす雨雲におおわれていた上によりし烈な暴風が吹き荒れていたのできわめて危険な状態におかれていた。
今治市内は、昼過ぎあたりから危なくなったようだ。
恐ろしい暴風音《かぜのおと》とし烈な雨音《あまおと》がようしゃなく響いた。
今治市内《しない》のところどころで避難勧告(警戒レベル4)の情報が出ていた。
そんな中であった。
ところ変わって、今治市宮下町《しないみやしたちょう》にある大型病院にて…
病院内は、地獄と化していた。
院内で入院していた患者さんが黒死病に感染して亡くなった…
それが原因で、次々と感染が広まった。
ウェンビンさんとミンジュンさんは、応援で治療に加わった。
愛媛県内《けんない》で暮らしている元医師たちと元看護士さんたち100人を召集して、患者さんたちの治療にあたっていた。
しかし、治療は思うように進まなかった。
医師たちが必死になって治療していたが、午後3時を過ぎたあたりから死者の数が増えだした。
どうすればいいのだ…
ひとりでも多くの患者さんを救わないと…
大変なことになる…
(グォーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!ドザーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!)
午後3時半頃であった。
玉川ダムのダム湖の上流で1時間に120ミリ超の猛烈な雨が降った。
同時に、ものすごく恐ろしい暴風が吹いた。
玉川ダムが危険な状態になったので、緊急放流を行うと言う知らせが入った。
この時、悲惨な事件が発生した。
宮下町の大型病院で医療活動をしていたウェンビンさんが黒死病に感染したあと意識不明の重体におちいった。
「ウェンビン!!ウェンビン!!」
意識不明の重体におちいったウェンビンさんを見たミンジュンさんは、ウェンビンさんのもとへ行こうとした。
しかし、数人の医師たちによって止められたので行くことができなかった。
「イヤ!!ウェンビン!!」
「感染するおそれがあります!!ダメです!!」
「イヤ!!ウェンビン!!」
この時であった。
一階にいた男性医師がものすごい血相でやって来た。
「おい大変だ!!」
「どうした!?」
「近くの浅川《かわ》がまけた(あふれた)ゾ!!」
「なんやて!!」
「大変だ!!水がこっちへ来るぞ!!」
(ドザー!!)
病院の近くを流れている浅川《かわ》の水が宮下町側へ向かって勢いよくあふれ出た。
(ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド!!ザバーン!!ガシャーン!!バリバリバリバリバリバリバリバリ!!)
浅川《かわ》の水は、恐ろしい水音を響かせながら地区を飲み込んで行った。
この時、病院の一階が水浸しになった。
同時に、地区の建物が大量の水で次々と破壊された。
それから10分後であった。
ウェンビンさんが黒死病による心不全で亡くなった…
同時に、ミンジュンさんも黒死病に感染したあと心肺停止におちいった。
病院は、大量の水が流れ込んだことと不衛生が原因で医療崩壊を起こした。
(ブーッ!!ブーッ!!ブーッ!!ブーッ!!)
夕方4時半頃であった。
玉川支所の建物の屋上に設置されている防災行政無線のスピーカーから強烈なブザー音が響いた。
まもなく玉川ダムで緊急放流が開始されるようだ。
ダムの下にある長谷地区にて…
この地区には、3時間ほど前に避難指示(緊急)が発令されていたが、住民はひとりも避難していなかった。
この時、住民たちが黒死病に感染して倒れた事件が発生した。
宮下町にある大型病院に入院していた患者さんの家族が感染したことが原因で、地区内でパンデミックが発生した。
この時、ここで暮らしている晴子と陽介と奈江《なえ》が黒死病に感染して倒れたあと亡くなった。
「おばーちゃん!!おとーさん!!おかーさん!!」
ひとり残されたコースケは、ワーワーワーワー泣いていた。
その時であった。
(ギギギギギギギギギギギギ!!ドサーーーーーーーーーーーーーーー!!)
玉川ダムで緊急放流が開始された。
(ドサーーーーーーー!!バリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリ!!ガシャーン!!)
ダムにたまりすぎた大量の水が地区内に流れ込んだ。
同時に、地区内の住宅が破壊された。
残された住民のみなさまが大量、水にのまれたあと流されて行方不明になった。
一方、素史《もとふみ》夫婦の家族3人は事前に避難して無事であった。
しかし、特大豪邸が近くで発生した土砂崩れによって半壊した。
台風24号は、夕方5時過ぎに和歌山県田辺市に上陸したあと本州を縦断して仙台平野へ抜けた。
被害は、四国地方から紀伊半島・東海・首都圏地域一帯で生じた。
10月1日早朝にミンジュンさんが黒死病による心不全で亡くなった。
その頃、イワマツグループのA班のメンバーたちは四国にあったレジャー関連の施設・店舗の閉鎖後の対応に追われていた。
まだまだつらい仕事がつづくので、2018年のクリスマス休暇は取れなくなるかもしれない…
つらい…
ものすごくつらい(泣)
【第3部・終わり】
時は、9月30日の午後3時過ぎであった。
台風24号は、中心付近の気圧が930ヘクトパスカル・最大風速は100ノット(50メートル)に変わった。
しかし、カテゴリー5に相当する危険な状態であることに変わりはなかった。
夕方5時過ぎに台風の中心が紀伊半島に上陸したあと、非常に強い勢力を保ったまま東海道一帯を進む見込みだ…
四国地方は台風の中心から離れているが、猛烈な雨を降らす雨雲におおわれていた上によりし烈な暴風が吹き荒れていたのできわめて危険な状態におかれていた。
今治市内は、昼過ぎあたりから危なくなったようだ。
恐ろしい暴風音《かぜのおと》とし烈な雨音《あまおと》がようしゃなく響いた。
今治市内《しない》のところどころで避難勧告(警戒レベル4)の情報が出ていた。
そんな中であった。
ところ変わって、今治市宮下町《しないみやしたちょう》にある大型病院にて…
病院内は、地獄と化していた。
院内で入院していた患者さんが黒死病に感染して亡くなった…
それが原因で、次々と感染が広まった。
ウェンビンさんとミンジュンさんは、応援で治療に加わった。
愛媛県内《けんない》で暮らしている元医師たちと元看護士さんたち100人を召集して、患者さんたちの治療にあたっていた。
しかし、治療は思うように進まなかった。
医師たちが必死になって治療していたが、午後3時を過ぎたあたりから死者の数が増えだした。
どうすればいいのだ…
ひとりでも多くの患者さんを救わないと…
大変なことになる…
(グォーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!ドザーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!)
午後3時半頃であった。
玉川ダムのダム湖の上流で1時間に120ミリ超の猛烈な雨が降った。
同時に、ものすごく恐ろしい暴風が吹いた。
玉川ダムが危険な状態になったので、緊急放流を行うと言う知らせが入った。
この時、悲惨な事件が発生した。
宮下町の大型病院で医療活動をしていたウェンビンさんが黒死病に感染したあと意識不明の重体におちいった。
「ウェンビン!!ウェンビン!!」
意識不明の重体におちいったウェンビンさんを見たミンジュンさんは、ウェンビンさんのもとへ行こうとした。
しかし、数人の医師たちによって止められたので行くことができなかった。
「イヤ!!ウェンビン!!」
「感染するおそれがあります!!ダメです!!」
「イヤ!!ウェンビン!!」
この時であった。
一階にいた男性医師がものすごい血相でやって来た。
「おい大変だ!!」
「どうした!?」
「近くの浅川《かわ》がまけた(あふれた)ゾ!!」
「なんやて!!」
「大変だ!!水がこっちへ来るぞ!!」
(ドザー!!)
病院の近くを流れている浅川《かわ》の水が宮下町側へ向かって勢いよくあふれ出た。
(ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド!!ザバーン!!ガシャーン!!バリバリバリバリバリバリバリバリ!!)
浅川《かわ》の水は、恐ろしい水音を響かせながら地区を飲み込んで行った。
この時、病院の一階が水浸しになった。
同時に、地区の建物が大量の水で次々と破壊された。
それから10分後であった。
ウェンビンさんが黒死病による心不全で亡くなった…
同時に、ミンジュンさんも黒死病に感染したあと心肺停止におちいった。
病院は、大量の水が流れ込んだことと不衛生が原因で医療崩壊を起こした。
(ブーッ!!ブーッ!!ブーッ!!ブーッ!!)
夕方4時半頃であった。
玉川支所の建物の屋上に設置されている防災行政無線のスピーカーから強烈なブザー音が響いた。
まもなく玉川ダムで緊急放流が開始されるようだ。
ダムの下にある長谷地区にて…
この地区には、3時間ほど前に避難指示(緊急)が発令されていたが、住民はひとりも避難していなかった。
この時、住民たちが黒死病に感染して倒れた事件が発生した。
宮下町にある大型病院に入院していた患者さんの家族が感染したことが原因で、地区内でパンデミックが発生した。
この時、ここで暮らしている晴子と陽介と奈江《なえ》が黒死病に感染して倒れたあと亡くなった。
「おばーちゃん!!おとーさん!!おかーさん!!」
ひとり残されたコースケは、ワーワーワーワー泣いていた。
その時であった。
(ギギギギギギギギギギギギ!!ドサーーーーーーーーーーーーーーー!!)
玉川ダムで緊急放流が開始された。
(ドサーーーーーーー!!バリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリ!!ガシャーン!!)
ダムにたまりすぎた大量の水が地区内に流れ込んだ。
同時に、地区内の住宅が破壊された。
残された住民のみなさまが大量、水にのまれたあと流されて行方不明になった。
一方、素史《もとふみ》夫婦の家族3人は事前に避難して無事であった。
しかし、特大豪邸が近くで発生した土砂崩れによって半壊した。
台風24号は、夕方5時過ぎに和歌山県田辺市に上陸したあと本州を縦断して仙台平野へ抜けた。
被害は、四国地方から紀伊半島・東海・首都圏地域一帯で生じた。
10月1日早朝にミンジュンさんが黒死病による心不全で亡くなった。
その頃、イワマツグループのA班のメンバーたちは四国にあったレジャー関連の施設・店舗の閉鎖後の対応に追われていた。
まだまだつらい仕事がつづくので、2018年のクリスマス休暇は取れなくなるかもしれない…
つらい…
ものすごくつらい(泣)
【第3部・終わり】