乳房星（たらちねぼし）〜再出発版

第19話・哀しみ本線日本海

【四季の歌】

時は流れて…

2023年８月20日のことであった。

場所は、プリンスエドワード島にて…

私は、８月19日から31日までの間夏休みを取った。

あれから５年が経過した。

私・イワマツは、2019年11月３日にパパになった。

第一子は、男の子…

ヨシユキと命名した。

アンナは、いつも通りにクイーンカリキュラムを受けていた。

イワマツのオーナーとハーレムのお妃さまと育児・家庭を両立できるように日々の暮らしの中で努力を続けていた。

アンナは2023年で30歳になるが、実際にクイーンデビューをするのは34〜38歳の間である。

ヨシユキは、この時３歳９ヶ月であった。

４歳になったら、アンナの母国・イングランドにあるラグビーのアカデミーへ行くことが決定した。

ヨシユキは、ママとパパのもとを出てアカデミーの寮で暮らす…

大丈夫かな…

ホンマに心配だ…

その一方で、アンナの胎内《からだ》には第二子を身ごもっていた。

二人目は、女の子である。

ヨシユキの妹がもうすぐ生まれてくる…

出産予定日は、８月21日である。

私もがんばらないと…

時は、午後３時頃であった。

私は、グリーン・ゲイブルス周辺の地区にある木もれ日の小径《みち》をゆっくりと歩いていた。

『赤毛のアン』の作者・ルーシー・モード・モンゴメリーが命名したい『恋人の小径』である。

『恋人の小径』をひとりで歩いていた時、私は結婚式を終えたばかりのカップルさんとすれ違った。

アヴォンリー・ビレッジのロングリバー教会で結婚式を挙げたカップルさんであった。

新郎さんが白いウェディングドレス姿の花嫁さんをお姫さま抱っこして、木もれ日の小径《みち》をゆっくりと歩いていた。

幸せいっぱいのふたりをみた私は、切ない気持ちにかられた。

午後３時半頃であった。

グリーンゲイブルスを出発した私は、フレンチリバーの本籍地の家へ向かって歩いた。

桜子たちとアンナとヨシユキは、フランソワさんたちＢ班のメンバーたちとゆかさんと一緒に散歩に行ってた。

もうすぐ桜子たちとアンナとヨシユキが家に帰る時間だ…

早く家に帰ろう…

夕方４時頃であった。

私は、本籍地・フレンチリバーの家に帰宅した。

家の敷地にある特大豪邸の大広間にて…

私が大広間に入った時であった。

大広間にいたのは、私ひとりだけであった。

桜子たちとアンナとヨシユキがいない…

フランソワさんたちＢ班のメンバーたちとゆかさんもまだ帰っていない…

「うう…｣

悲しくなった私は、大広間のテーブルに座って泣いた。

私は、ポーチからエクスペリア(スマホ)を取り出して、ウォークマンを開いた。

耳にイヤホンをつけて、プレイリストの歌手検索のページを開いて、聴きたい歌手名にカーソルをかぶせてタップした。

私は、芹洋子さんの歌にカーソルをかぶせてタップした。

その後、聴きたい曲にカーソルをかぶせてタップして一曲リピートに設定したあとプレイボタンを押した。

イヤホンから、荒木とよひさ先生の作曲・作詩の歌『四季の歌』が流れていた。

｢うううううう…｣

歌を聴いている私は、震える声で泣いていた。

桜子たちとアンナとヨシユキがまだ帰っていない…

桜子たち…

アンナ…

ヨシユキ…

桜子たち…

アンナ…

ヨシユキ…

桜子たち…

アンナ…

ヨシユキ…

私は、桜子たちとアンナとヨシユキを呼びながら泣いた。

そして私は、そのまま眠りについた。