乳房星(たらちねぼし)〜再出発版

【盛川(さかりがわ)】

東日本大震災から4ヶ月後の7月22日頃に、また突発事件が発生した。

オスロの市街地でテロ事件が発生した。

住まい・オフィスビル・工場・店舗・リゾートはオスロの中心部からうんと離れた場所にあったので無事であった。

しかし、森林公園で発生した銃撃事件や市街地で発生した爆発事件などで負傷した人たちの救護活動と事後処理などでスケジュールがまた変更された。

イワマツのスタッフさんたちのなかに森林公園で開催された集会の参加者はひとりもいなかった。

しかし、関連会社のスタッフさんから電話で『うちの弟がテロ事件の容疑で逮捕された。』と私たちに知らせた。

知らせを受けた私たちは、大急ぎで応対に出た。

スタッフさんたちの間でアツレキが生じると運営に大きな支障が出る…

急げ!!

時間がない!!

私は、身を切る想いで問題解決に取り組んだ。

身体がフラつく…

目まいがする…

でも、休むことができん…

そうこうして行くうちに、私は40歳になった。

2011年夏頃から2016年夏頃までの5年の間、スケジュール変更がつづいた。

もちろん、クリスマス休暇は返上した。

北朝鮮金正日書記長死去・自公政権復活・津波に関する警報基準改定・気象特別警報運用開始・熊本地震…

災害・テロなどの多発に伴い、次々とスケジュールの変更がつづいた。

A班のメンバーたちは、その間事後処理・救護活動などの対応に追われて苦しんだ。

私は、点滴液《てんてき》の管《くだ》をうでに刺した状態で活動を続けたが、悲鳴をあげそうになっていた。

好きなコを作って恋がしたいのに、恋ができない…

嫁はんがほしいのに、お見合いができない…

声あげて泣きたいけど、泣くことができない…

2010年2月末のチリ大地震からそのような状態がつづいていたので、心身ともにボロボロだ…

それでも、なんとか乗り切らないと…

7年近くに渡って慌ただしい日々は、2016年10月末頃にようやく落ちついた。

この先、スケジュール帳通りの予定を送ることができるが、いつ急な予定変更が生じるのか分からないのでまだ安心できない…
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