乳房星(たらちねぼし)〜再出発版
【恋一夜】
時は、1月4日の午後2時頃であった。
またところ変わって、イオンモール今治新都市の一階にあるGU(ユニクロと同じ系統の衣料量販店)にて…
ゆりこは、ここ(イオンモール今治新都市)がオープンした日からGUに移った。
ゆりこは、ウィメンズインナーのコーナでちん列だなにブラキャミを補充する作業をしていた。
鎮房《しげふさ》と死別《リコン》してから7年の間、ゆりこは母子保護施設《しせつ》と職場を往復するだけの暮らしを続けていた。
施設の行事ごとは、パートを理由に一度も参加しなかった。
22年前(1995年)の5月に私の背中にリンゴをぶつけたあとボロクソに言いまくった…
10月に吹揚神社《ふきあげじんじゃ》で小太郎がゆりこの神前式をボーガイした事件の時も、ゆりこは私をボロクソに言いまくった…
健太は、私をクソナマイキな英才《インテリ》だとブジョクした末に、ヤクザの拳銃《チャカ》で身体《ドタマ》かち割られた…
小太郎も小太郎で、おじいやんにカンドーされた末にヤクザと乱闘を起こして、命をおとした…
ゆりこは、22年前に犯したあやまちをひとこともわびずにはぶてて(ひねて)ばかりいた。
ゆりこは、どこのどこまで甘ったれなのか…
身体だけは40なかばの女で、精神面は稚拙《よーちい》けんアカンわ…
午後3時頃であった。
またところ変わって、さざなみコートの付近にあるスタバにて…
ゆりこは、母子保護施設《しせつ》で一緒に暮らしていた里帆ちゃん(専業主婦)と会った。
里帆ちゃんは、23年前にサンコーの銀行員のダンナと結婚してふたりの男の子のママになった。
ふたりの男の子は、高校を卒業したあと大学に進学するために県外《よそ》ヘ移った。
…ので、里帆ちゃんはダンナとラブラブを楽しんでいた。
テーブルの上には、ドリップコーヒーのトールサイズとニューヨークチーズケーキが置かれていた。
里帆ちゃんは、コーヒーをひとくちのんでからゆりこに言うた。
「ねえゆりこちゃん。」
「なあに?」
「もうあれから22年が経過したけど、いつになったらよーくんにおわびするのよ?」
ゆりこは、つらい声で里帆ちゃんに言うた。
「そんなこと言われてもわかんない…」
「困ったわねぇ〜」
里帆ちゃんは、ひと間隔おいてからゆりこに言うた。
「ゆりこちゃんに聞くけど…本当はだれと結婚したかったのよ?」
「えっ?」
「(いらついた声で)だから、ゆりこちゃんはだれと結婚したかったの?」
里帆ちゃんの問いに対して、ゆりこは『分かんない…』と答えた。
里帆ちゃんは、いらついた声でゆりこに言うた。
「それじゃあ、ゆりこちゃんはどうして健太くんと結婚しようとしたのよ?」
里帆ちゃんの問いに対して、ゆりこはつらい声で答えた。
「あせっていたから…」
「あせっていたから?」
ゆりこは、ものすごく泣きそうな声で里帆ちゃんに言うた。
「だって…里帆ちゃんがサンコーのダンナと結婚する知らせを聞いたから…あせっていたのよ…他にも…架純《かすみ》ちゃんが大学院生の男の子からプロポーズされた…環奈《かんな》ちゃんも菜名《なな》ちゃんも舞香《まいか》ちゃんも…大学のサークルで知り合った男の子からプロポーズされた…だから…ゆりこは…」
「気持ちがひどくあせっていたからテキトーに健太くんを結婚相手に選んだのよね。」
「それもあったけど、健太くんがゆりこと結婚する運命であるというたから…」
「もうわかったわよ!!それ以上聞きたくないわよ!!」
里帆ちゃんは、大きくため息をついてからゆりこに言うた。
「ゆりこちゃんは、生まれた時からお嫁に行く資格もムコはんをもらう資格もなかったのよ…ゆりこちゃんがそのようになった原因は小学生の時にあるのよ…ゆりこちゃんは学校の行き帰りに大杉くんとイチャイチャしよったね…学校からまっすぐに帰らずに大杉くんちへ行ってたわね!!…そして…コーカン日記をつけよったね!!…それだけじゃないわよ!!…施設の近くのアパートで暮らしていた短大生の男の子とも付き合っていたよね…ゆりこちゃんひとりのせいで、他の男の子たちから猛反発《もうはんぱつ》を受けていたことにまだ気がついていないわね!!」
「くすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすん…くすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすん…」
里帆ちゃんからボロクソ言われたゆりこは、くすんくすんと泣き出した。
里帆ちゃんは、あきれた声でゆりこに言うた。
「ゆりこちゃんはやっぱりダメよ…22年前によーくんにきつい暴力をふるったことをわびずにほったらかしにしていたから、男のトラブルを繰り返したのよ…そのあげくにレイプの被害を受けたのよ…」
「くすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすん…くすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすん…」
「よーくんは、今もゆりこちゃんに対して怒り狂っているわよ…よーくんは…それが原因でお嫁さんが来てくれなかったのよ…よーくんがお嫁さんをもらえなくなった原因は…全部ゆりこちゃんにあるのよ!!…いいかげんに気がつきなさいよ!!」
ゆりこをボロクソになじった里帆ちゃんは、ディオールのハンドバッグを持って席を立ったあと店から出ていった。
ゆりこは、テーブルに顔をふせた状態でくすんくすんと泣きじゃくった。
その後、ゆりこは工藤静香さんの歌で『恋一夜』を歌いながら泣いた。
よーくんに会いたい…
よーくんに会いたい…
よーくんにあやまりたい…
よーくんにあやまりたい…
ゆりこ…
ゆりこ…
…………
またところ変わって、イオンモール今治新都市の一階にあるGU(ユニクロと同じ系統の衣料量販店)にて…
ゆりこは、ここ(イオンモール今治新都市)がオープンした日からGUに移った。
ゆりこは、ウィメンズインナーのコーナでちん列だなにブラキャミを補充する作業をしていた。
鎮房《しげふさ》と死別《リコン》してから7年の間、ゆりこは母子保護施設《しせつ》と職場を往復するだけの暮らしを続けていた。
施設の行事ごとは、パートを理由に一度も参加しなかった。
22年前(1995年)の5月に私の背中にリンゴをぶつけたあとボロクソに言いまくった…
10月に吹揚神社《ふきあげじんじゃ》で小太郎がゆりこの神前式をボーガイした事件の時も、ゆりこは私をボロクソに言いまくった…
健太は、私をクソナマイキな英才《インテリ》だとブジョクした末に、ヤクザの拳銃《チャカ》で身体《ドタマ》かち割られた…
小太郎も小太郎で、おじいやんにカンドーされた末にヤクザと乱闘を起こして、命をおとした…
ゆりこは、22年前に犯したあやまちをひとこともわびずにはぶてて(ひねて)ばかりいた。
ゆりこは、どこのどこまで甘ったれなのか…
身体だけは40なかばの女で、精神面は稚拙《よーちい》けんアカンわ…
午後3時頃であった。
またところ変わって、さざなみコートの付近にあるスタバにて…
ゆりこは、母子保護施設《しせつ》で一緒に暮らしていた里帆ちゃん(専業主婦)と会った。
里帆ちゃんは、23年前にサンコーの銀行員のダンナと結婚してふたりの男の子のママになった。
ふたりの男の子は、高校を卒業したあと大学に進学するために県外《よそ》ヘ移った。
…ので、里帆ちゃんはダンナとラブラブを楽しんでいた。
テーブルの上には、ドリップコーヒーのトールサイズとニューヨークチーズケーキが置かれていた。
里帆ちゃんは、コーヒーをひとくちのんでからゆりこに言うた。
「ねえゆりこちゃん。」
「なあに?」
「もうあれから22年が経過したけど、いつになったらよーくんにおわびするのよ?」
ゆりこは、つらい声で里帆ちゃんに言うた。
「そんなこと言われてもわかんない…」
「困ったわねぇ〜」
里帆ちゃんは、ひと間隔おいてからゆりこに言うた。
「ゆりこちゃんに聞くけど…本当はだれと結婚したかったのよ?」
「えっ?」
「(いらついた声で)だから、ゆりこちゃんはだれと結婚したかったの?」
里帆ちゃんの問いに対して、ゆりこは『分かんない…』と答えた。
里帆ちゃんは、いらついた声でゆりこに言うた。
「それじゃあ、ゆりこちゃんはどうして健太くんと結婚しようとしたのよ?」
里帆ちゃんの問いに対して、ゆりこはつらい声で答えた。
「あせっていたから…」
「あせっていたから?」
ゆりこは、ものすごく泣きそうな声で里帆ちゃんに言うた。
「だって…里帆ちゃんがサンコーのダンナと結婚する知らせを聞いたから…あせっていたのよ…他にも…架純《かすみ》ちゃんが大学院生の男の子からプロポーズされた…環奈《かんな》ちゃんも菜名《なな》ちゃんも舞香《まいか》ちゃんも…大学のサークルで知り合った男の子からプロポーズされた…だから…ゆりこは…」
「気持ちがひどくあせっていたからテキトーに健太くんを結婚相手に選んだのよね。」
「それもあったけど、健太くんがゆりこと結婚する運命であるというたから…」
「もうわかったわよ!!それ以上聞きたくないわよ!!」
里帆ちゃんは、大きくため息をついてからゆりこに言うた。
「ゆりこちゃんは、生まれた時からお嫁に行く資格もムコはんをもらう資格もなかったのよ…ゆりこちゃんがそのようになった原因は小学生の時にあるのよ…ゆりこちゃんは学校の行き帰りに大杉くんとイチャイチャしよったね…学校からまっすぐに帰らずに大杉くんちへ行ってたわね!!…そして…コーカン日記をつけよったね!!…それだけじゃないわよ!!…施設の近くのアパートで暮らしていた短大生の男の子とも付き合っていたよね…ゆりこちゃんひとりのせいで、他の男の子たちから猛反発《もうはんぱつ》を受けていたことにまだ気がついていないわね!!」
「くすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすん…くすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすん…」
里帆ちゃんからボロクソ言われたゆりこは、くすんくすんと泣き出した。
里帆ちゃんは、あきれた声でゆりこに言うた。
「ゆりこちゃんはやっぱりダメよ…22年前によーくんにきつい暴力をふるったことをわびずにほったらかしにしていたから、男のトラブルを繰り返したのよ…そのあげくにレイプの被害を受けたのよ…」
「くすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすん…くすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすん…」
「よーくんは、今もゆりこちゃんに対して怒り狂っているわよ…よーくんは…それが原因でお嫁さんが来てくれなかったのよ…よーくんがお嫁さんをもらえなくなった原因は…全部ゆりこちゃんにあるのよ!!…いいかげんに気がつきなさいよ!!」
ゆりこをボロクソになじった里帆ちゃんは、ディオールのハンドバッグを持って席を立ったあと店から出ていった。
ゆりこは、テーブルに顔をふせた状態でくすんくすんと泣きじゃくった。
その後、ゆりこは工藤静香さんの歌で『恋一夜』を歌いながら泣いた。
よーくんに会いたい…
よーくんに会いたい…
よーくんにあやまりたい…
よーくんにあやまりたい…
ゆりこ…
ゆりこ…
…………