乳房星（たらちねぼし）〜再出発版

【ロマンスの神様】

時は流れて…

カナダ東部時間５月８日午前11時半頃であった。

プリンスエドワード島・シャーロットタウン空港からやって来たヴォンヴァルディア機がトロント・ピアソン国際空港に到着した。

到着したヴォンヴァルディア機の中から私とマァマとドナ姐《ねえ》はんが子守女さんたち100人と一緒に降り立った。

３人は、空港のターミナルビル内で大番頭《おおばんと》はんたちと合流した。

マァマとドナ姐《ねえ》はんは、私のお嫁さんが正式に決まるまでの間はＡ班のメンバーたちと一緒に旅をすることになった。

（ゴーッ）

カナダ東部時間午後２時頃であった。

Ａ班のメンバーたちとマァマとドナ姐《ねえ》はんが乗り込んだ専用機がトロント・ピアソン国際空港から飛び立った。

専用機は、アメリカ合衆国大陸を通って日付変更線を越えたあと那覇空港ヘ向かった。

日本時間５月９日夕方５時頃、Ａ班のメンバーたちとマァマとドナ姐《ねえ》はんが乗っている専用機が那覇空港に到着した。

Ａ班のメンバーたちとマァマとドナ姐《ねえ》はんは、専用機から降りたあとタラップ横に停車している特大バスに乗り込んだ。

夕方５時半頃、Ａ班のメンバーたちとマァマとドナ姐《ねえ》はんが乗り込んだ特大バスが那覇空港から出発した。

バスは、恩納村《おんなそん》にあるハレクラニ沖縄（最高級リゾートホテル）ヘ向かった。

夕方６時50分頃、ハレクラニ沖縄（最高級リゾートホテル）の正面玄関前に特大バスが到着した。

Ａ班のメンバーたちとマァマとドナ姐《ねえ》はんは、バスを降りたあと館内に入った。

この日は、明日に備えて早めに床についた。

５月10日の朝６時半頃であった。

Ａ班のメンバーたちは、正面玄関に停まっている特大バスに乗り込んだ。

その後、50人の丁稚どんたちがバスの後ろに停まっているマツダボンゴの１トンのワゴン車に私が使うゴルフセットなどを積み込んでいた。

マァマとドナ姐《ねえ》はんは、子守女さんたち100人とお留守番をする。

朝７時頃、２台の車両がハレクラニ沖縄の正面玄関前から出発した。

朝８時頃、２台の車両が許田（名護市）にあるゴルフ場に到着した。

この日は、沖縄・西日本出身の会社経営者のみなさま方が集まって行われるゴルフコンペに出席する予定である。

同時に、この日は同じ組でまわる岡豊《おこう》（高知県南国市）のチョウソガベプロパンの社長さまと商談を行う予定である。

商談は、イワマツが所有しているアメリカ合衆国本土南部にあるガス田の採掘権のリース契約に関することである。

時は、午後１時頃であった。

Ａ班のいる組は、パー４の６番ホールにいた。

おふたりさまが二打目《セカンドショット》を打ったあと、私の番がやって来た。

私は、キャディー役を務めているミンジュンさんに『７番アイアンをお願いします…』と申し出た。

「ミンジュンさん、７番アイアンをお願いします…」

この時、ミンジュンさんはぼんやりとした表情を浮かべていたので私の声が聞こえていなかった。

私は、もう一度ミンジュンさんを呼んでみた。

「ミンジュンさん、ミンジュンさん…」

困ったなぁ〜

ミンジュンさん、７番アイアンがないと困りまんねん…

この時、ウェンビンさんがミンジュンさんに声をかけた。

「ミンジュンさん、ミンジュンさん!!」
「なあに？」
「『なあに？』じゃあらへんねん!!ヨシタカさまが７番アイアンをお願いしますと言うてんねん!!」
「えっ？７番アイアン？」
「ミ、ミンジュンさん、他の組のみなさま方のことを考えてください!!ぼんやりしている場合じゃあらへんねん!!」
「ああ!!ごめんなさい!!えーと…」

ミンジュンさんは、ブリヂストンツアーステージのロゴ入りのゴルフバッグの中から７番アイアンを出そうとしたが、間違ってパターを出して私に渡してしまった。

ウェンビンさんは、ミンジュンさんに違いますよと言うた。

「ミンジュンさん、それはパターですよ!!」
「えっ？」
「ヨシタカさまは７番アイアンをお願いしますと言うたのですよ!!」
「あーん、分かんないよぅ〜」

大パニックにおちいったミンジュンさんは、オタオタしまくっていた。

ウェンビンさんは、ミンジュンさんに変わって７番アイアンを取り出したあと私に差し出した。

その後、私はニ打目《セカンドショット》を打った。

ボールはグリーンに載った。

このあとも、ゴルフは予定通りに進行した。