シークレットベビー~初めまして、愛している。記憶喪失からはじまる二度目の結婚生活は三人で~
二人でパスタや色んな料理をお皿に載せて、テーブル付きの椅子に腰を据えて話をした。

「事務長は院長お勧めの見合いを断る為に来たんですか…」

「そうだ。地元の市会議員のお嬢様との見合いだから…病院の関係上、断れなかったらしい」

「大変ですね」
「院長も断りたかったらしいが…」

事務長は顔を顰め、生ハムを口に運んだ。

「断る為にこのパーティーで相手を探して来いと院長の命令を受けた」

「事務長はいい人見つかりました?」

「いや」

「そうですか」

「君は?」

「私も見つかりませんでした」

「そうか」

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