シークレットベビー~初めまして、愛している。記憶喪失からはじまる二度目の結婚生活は三人で~
事務長のアドバイス通り、キチンと慧斗さんに話をした方がいい。そう思いながらも逃げてしまった。

朝の外来診察が始まる時刻。

慧斗さんは諦めず私の元に姿を現した。

「弥紗、君と話がしたい」

「困ります!!」

私は彼とカウンターで押し問答を繰り返した。

騒ぎを訊きつけ警備の人達が来る前に事務長が出て来た。

「神崎…彼と話をしてやれ」

「でも、仕事が…」

「他の者に君の代わりを頼む。彼だって本当の事知りたいだろ?それに理沙ちゃんだって…」

「分かりました」

私は事務長と話をして、カウンターで待つ慧斗さんの前に出た。



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