シークレットベビー～初めまして、愛している。記憶喪失からはじまる二度目の結婚生活は三人で～

私は三週間の入院を経て退院した。

院内の保育所に向かう中。
突然、慧斗さんが私の前に現れて、｢初めまして…｣と抱き締めて来た。

そして「愛してる」と耳許で甘く囁く。


私が慌てていると理沙が助けに来てくれた。

「あ、理沙ちゃん」

慧斗さんは私から離れ、理紗の前にしゃがみ込み、目線を合わせ愛しそうに見る。

「おじさんはだれ？」

「おじさんじゃなくて…」

「理沙ちゃんのパパらしいよ。由紀を迎えいくついでに理沙ちゃんも連れて来たよ。神崎さん」
「ありがとう御座います。相馬先生」

相馬先生と由紀ちゃんが揃って現れた。

「そうなの？」

「そうなんだ。理沙ちゃん」

慧斗さんも相馬先生の言葉に合わせて、自分がパパだと告げた。