シークレットベビー~初めまして、愛している。記憶喪失からはじまる二度目の結婚生活は三人で~
二人で居られたらそれでいい。
子供は要らない。

今からやり直しはできないだろうか?弥紗


俺は探偵を雇い、弥紗の事を調べた。

彼女には理沙と言う四歳になる娘が一人居た。
再婚歴はなく、再婚した姉の千紗さんの家族と『清友会総合病院』に程近い一軒家で同居していた。

四年前と言えば…まさか、あの時の夜の子?


「お子さんが居るとは…」
「伊澤、どう思う?」

「支社長は心当たりあるんですか?」

「ん、あ・・・」

俺は伊澤の質問に頬を染めてしまった。
日本で過ごした最後の夜。
俺は弥紗の事を久しぶりに激しく求めてしまった。

離婚したと言うのに、何て罪深い事したんだと機内で後悔した。

それから、彼女に理沙の事を訊く為に、自ら病院に足を運んだ。



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