シークレットベビー~初めまして、愛している。記憶喪失からはじまる二度目の結婚生活は三人で~
家族で動物園
私をひき逃げした犯人は二十五歳の新宿歌舞伎町でホストしている若い男性だった。
彼は私を轢き、そのまま逃走したが、明け方弁護士を伴い新宿の警察署に出頭した。
その後の供述で、「何故逃げたのか?」と警察に訊かれ、「人を轢き怖くなって逃げた」と説明した。
取り調べに対し、素直に応じ反省の色も見えたと言う。
私が入院している『清友会総合病院』にも彼の担当弁護士が見舞いに現れ、彼の謝罪の意を伝えてくれた。
通常、ひき逃げの場合は裁判となるのだけど、私は示談で済ませた。
「本当に示談で済ませて良かったんですか?」
「はい」
私の担当弁護士だった設楽瓜生(シタラウリュウ)先生が病院に現れ、私は院内で彼と話をした。
「彼はまだ若いし、誠意を感じましたので…それに事故当時の記憶は私にはありません。もしかすれば、私が赤信号で渡ってしまって事故に遇った可能性だってありますから」
事故当時の記憶が全くない私。
私の代わりに事故を目撃していた慧斗さんと秘書の伊澤さんの証言と被疑者の彼の証言が事故当時の状況の有力な手掛かりとなっていた。
「それはないと思います。そうすれば、元旦那さん・桑原さんが嘘の証言をしたことになりますから」
彼は私を轢き、そのまま逃走したが、明け方弁護士を伴い新宿の警察署に出頭した。
その後の供述で、「何故逃げたのか?」と警察に訊かれ、「人を轢き怖くなって逃げた」と説明した。
取り調べに対し、素直に応じ反省の色も見えたと言う。
私が入院している『清友会総合病院』にも彼の担当弁護士が見舞いに現れ、彼の謝罪の意を伝えてくれた。
通常、ひき逃げの場合は裁判となるのだけど、私は示談で済ませた。
「本当に示談で済ませて良かったんですか?」
「はい」
私の担当弁護士だった設楽瓜生(シタラウリュウ)先生が病院に現れ、私は院内で彼と話をした。
「彼はまだ若いし、誠意を感じましたので…それに事故当時の記憶は私にはありません。もしかすれば、私が赤信号で渡ってしまって事故に遇った可能性だってありますから」
事故当時の記憶が全くない私。
私の代わりに事故を目撃していた慧斗さんと秘書の伊澤さんの証言と被疑者の彼の証言が事故当時の状況の有力な手掛かりとなっていた。
「それはないと思います。そうすれば、元旦那さん・桑原さんが嘘の証言をしたことになりますから」