深海
「また薬?あそこの診療所、たいした診察しないのに、すぐ薬を出すから評判悪いらしいよ?」

「そうかな、、あの先生、しっかりお話してくれるけど、、」

「君は無口なタイプだから、先生も君に喋ってもらそうと必死なのかも。」

「そうなのかな。それじゃ1回ぐらい飲まなくても良いよね?」

生きてると実感できる瞬間だ。

何気ない彼との会話が、今の私を支えてくれる。

なにより、、、本当に私を愛してくれている。

会社帰り、無理やり飲み会に誘われた時なんて、心配で何度もメールを送ってくれた。

その日の帰りが遅くなっても、先に寝ないで待っててくれた。

愛しい人だと思う。

この人がいるから私は生きてるんだ。そう思う。

そんなある時、彼が私の元から忽然と消えた。


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