深海
これは…、私の口から出ている言葉…だ。

口角が耳元まで吊り上がったような顔の女の後ろに、、彼の姿が見える。

「どうして…?」

なぜ彼がそこに映っているのかが理解できない。

呆然とする自分、、

・・・にぎるとゆびのあいだから…たくさんながれてくるよ…。


私は…、私自身を……


遠のく意識の中、何かが聞こえた。


ドンドンドン!


扉を強く叩く音だろうと思った。

何人かの声も聞こえる…

その中に彼がいるのだろうか?

その中に私はいるのだろうか?

「扉を開けますよ!いいですか!」
「おい!早く鍵っ!!」

扉が開き、数人の人間が部屋になだれ込んで来た。

私の記憶はここで途切れた。


‥‥‥‥‥‥‥‥‥
‥‥‥‥‥‥‥‥‥

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