一期一会。−2−
彼女は、きっと常識で縛れないようなところにいる。

中3で最強なら、今は何なんだろうか。

最“恐”とか?有り得るな。

“王蝶”をこの目で直接見たことはまだ無いけど。
 
一度くらいは、お目にかかりたいと密かに思う。

ー…そんな時。

通りがかった路地裏から、派手な物音が聞こえてきて。

ドンッと何かが壁にぶつかって転がる音。

俺と有功は、顔を見合わせて走り出した。

何が起こっている…?

路地裏には、驚くほどに大量の男達が倒れ伏していて。

ズタボロにやられていた。

「こ、れは…」

『やばいな』

喧嘩の後らしい。

一体誰がこんなことを、と眉を顰めていたら、遠くにフードを被った奴が一人立っていた。

ポケットに手を突っ込んで、此方を見つめている。

逃げもせず、余裕の滲む態度に“コイツ強いな”と確信した。

…恐らく、有功や俺よりも上。

上位互換に違いない。

『お前…誰だ?』


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