一期一会。−2−
地獄変みてぇだぞ。

制裁、と平気で言い切る彩羽が恐ろしい。

有功は、俺と“王蝶”を不思議そうに見ていた。

「お知り合いですか??」

…知り合いっつーか、…友達?

昼間の話だけど。

頷いていいのか迷っていれば、「そうだよ」と“王蝶”は平然と答えた。

それを聞いて、かなりホッとした。

“王蝶”の姿の彩羽は、いつもより距離を置いているように見えたから。

変わらない答えに安心する。

彩羽は、彩羽だもんな。

…でも、そうか。

これが、彼女の隠された秘密なのか。

そりゃ、葵も骨抜きにされるわな。

こんな女、世界に二人としていないだろう。








ー…喧嘩を極めた最強伝説“王蝶”は、俺が     誰よりも最愛した女だった。







< 106 / 244 >

この作品をシェア

pagetop