一期一会。−2−

7【崇拝者・後編】

喧嘩を終えた後、由宇ともう一人男が私を見ていた。

…あ、これは偶然かな?

前は葵が意図的に見つけてきたけど、多分由宇はそんなことしないだろう。

丁度、街を賑わせていた犯罪グループを潰せたんだよね。

全員もれなく病院送りよ。

ありえへん光景に、固まっている二人。

由宇に話しかけられ、正体を明かせば
その内、一人がスライディング土下座をして忠誠を誓ってきた。

…何こいつ、重いんですけど。

私を崇拝しているらしい。

本気すぎて、悪いけど引いてしまった。

本気で何なの??

毒を吐いたら、クリティカルヒットした。

由宇も巻き添えを食らっていた。

あ、由宇は別だからね?

由宇とその男は仲間同士らしく、仲良さげ。

有功…ね、“響香”が通り名とのこと。

“響香”の方が響きが綺麗だし、そちらで呼ばせていただこう。

由宇と世間話。

由宇は、あえて“彩羽”ではなく、“王蝶”と
呼ぶ。



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