一期一会。−2−
コイツは、…俺と友達になりたいと心から思ってる。

こんな、俺を…大切だと思ってる。

そのことに気付いて、俺は、それ以上強く当たれなかった。



ー『…ありがとう、頼人』



ただ、そう返す以外に、できることは何もなかったー…。

その日から、頼人と俺は友達になった。



回想を経て、現実へと戻る。

「和〜」

今度、俺の前に現れたのは、奥薗彩羽。

頼人もそうだけど、コイツもかなりの変わり者でお人好しだ。

『……何?』

机に突っ伏していたけど、てくてく歩いてきた彩羽に、仕方なく顔をあげる。

無視すると面倒臭そうだし。

彩羽は、スッと俺の机の上に一枚のパンフレットを置く。

ん?何だ、これ。

『…花火、大会?』

近々、夏祭りがあるらしい。

今は、7月に入りかけた最初の時期。

…もう、春から3ヶ月も経ったのか。

彩羽は、にっこり笑って言う。

「花火大会行こうよ」



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