一期一会。−2−
幸い、人もいないし。

ニッコリ、邪気に満ちた笑顔に切り替える。

『よく聞け、能無し共』

人の見てくれのみで、判断なんて出来ない。

そんなの、差別と一緒だ。

生徒一人一人が安全に楽しく過ごせるようにする手伝いをするのが生徒会の仕事なんでしょ?

和だって、生徒の一人なんだよ。

勝手に、線引きして、排除しないでよ。

『和は、ツンデレなだけで、

 一見冷たく見えるだけで、

 努力家で良い奴なんだよ…!』

アンタ達は、和のどこを見てそんなに冷酷になれるの?

どうして、一人ぼっちにしようとするの?

それで、和が傷つかないって思ってるの?

生まれで、育ちで、決めつけないでよ。

マイク男の胸ぐらを掴んで啖呵を切る。

『そんなに自分達が偉いか?!

 親の権力を笠に着て、威張ってんじゃ
 ねぇよ!』

アンタらは、間違ってる。
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