一期一会。−2−

9【真実】

「彩羽。

 今日、空いてるか?」

『…え、何で??』

ソウ君と恒例の電話をしていた時のこと。

ソウ君が、やけに真剣な口調で切り出してきた。

今日は、休日。

スケジュール??

私に予定なんて、あるわけないでしょ。

あっても、ソウ君のためならドタキャンするし(※良い子は真似しないでね)。

「…話したいな、って」

ポツリ、呟くソウ君に私は衝撃で固まった。

…な、何それ。

めっちゃ可愛いな!

一瞬シリアスな相談か何かかと思ったよ。

話したいとか、本気で言い方ストレートすぎて刺さりまくり。

胸キュンものである。

最近会えてなかったもんね。

私も会いたいし、話したいよ。

『私もソウ君と話したい!』

元気よく返したら、ソウ君は電話越しに笑って、嬉しそうに「そうか」と言った。

…でも、待てよ。

会うってことは入学式以降の、諸々の話とかをしないといけないのでは?

今の状態をまともに説明できる自信がない。

…和と、友達になっちゃいましたし。



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