一期一会。−2−
…というか、まだ、付き合うつもりないし。

『いないよ』

「…そうか」

ソウ君は腑に落ちなさそうだったけど、それ以上の追及はしてこなかった。

恐ろしいんだよね、ソウ君の観察眼。

舐めてたら、プリンみたいにツルッと足元を掬われかねない。

ハラハラしながら、フルーツパフェを頼む。

ソウ君、どうか私の嘘に気付かないで。

……気付いても、無視してくれ。

このことで、ソウ君ともめるのは本望じゃないから。

むしろ、不毛。

ソウ君は、ショートケーキを頼んでいた。

従兄弟って好きなスイーツまで似るの?

何だかおかしかった。

学校出会った出来事を、所々言い方を変えたり、省略して語る。

まんま言える内容が見当たりません。

まぁ、とりあえず何とか生きてます。

ソウ君は、時々ふっと笑みを零して、私の話を聞いてくれた。



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