一期一会。−2−
頷きとか、合いの手は少ないけど、冷たいとは感じない。

あぁ、この時間…好きだな。

ケーキを食べながら、ソウ君と談笑できるのって、とっても幸せだ。



思う存分語りまくってすっきりした私と、終始落ち着いてコーヒーを口にするソウ君。

ソウ君って、たまにトリッキーだけど、外では冷静沈着なんだよね。

どこに切り替えスイッチがあるんだろ。

気付いたら、話し始めて数時間が経過していた。

チラッと腕時計を見て、ソウ君は「時間か」と名残惜しげに呟く。

若頭様は、多忙なようです。

あーぁ、楽しい時間って、あっという間。

『もう行くの?』

「…あぁ、ごめんな。

 今日はありがとう」

しょげてる私の頭を撫でて、ソウ君は席を立つ。

む…、仕方ないか。

我儘言って困らせても悪いし。



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