一期一会。−2−
…私のこと、こっぴどく、捨てたじゃん。

私のこと、妹じゃないって…。

それなのに、どうして?

「大丈夫?!」

倒れそうなところを亮さんに支えられて、ようやく我に返った。

我に返った瞬間、目から涙が零れ落ちる。

“ソウ君がお兄ちゃんだったら良かったのに”

そう、思っていたことがあった。

でも、違う、違ったんだ。

…ソウ君は、私の兄だったー…?

…ずっと、どんな気持ちでソウ君は私に接していたの?

「彩羽ちゃん!?」

亮さんの呼びかけが耳に入らないほど、混乱していた。

『…うっ、ひっく、お兄ちゃん…』

会いたかった、もう一度、会って話したかった。

嫌われたのかと思ってた。

もう、二度と会えないと思ってた。

…でも、近くに、いた。

あの日、再会して…。

お兄ちゃんは、私を救ってくれた。



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