一期一会。−2−
ー「わかった、俺がお前の師匠になって
やる」
…関係性を聞かれて、気まずそうだったのは、そういうこと?
どうして、お兄ちゃんは…私に黙っていたの?
私…っ、ずっと、ただ、ずっとお兄ちゃんのことを追いかけてきたのに。
酷いよ、ズルいよ。
隠さないで、教えてよ…。
…遅いんだよ、ソウ君。
もっと早く言ってよぉ、バカ。
ボロ泣きしだす私に亮さんは、オロオロと右往左往。
何も、耳に入らなかった。
写真を、目に入れて、唯、泣き続けた。
亮さんは、大急ぎで何処かへ連絡を取っていた。
しばらく、涙が止まらなかった。
「彩羽っ!」
「だ、大丈夫?」
「どうしたんだよ」
ドタバタとカフェに駆け込んできたのは、葵と時雨と由宇。
私は、写真の端をギュッと握りしめて、必死に何かを言おうとするけど。
言葉が、出てこない。