一期一会。−2−
桜ヵ谷さんは、頬をピンクに染めて、
私の手をキュッと握ってくる。

女子とはいえ、可愛い彼女にそんなふうに
迫られたら、ドキッとする。

「私…貴方の美しさに惚れましたわ。
 
 ぜひ、
 私のお姉様になって下さいませ!」

………。

『…ん?んん?』

同学年ですよね、私達?

お姉様!?

…あ、あれか?

女子校みたいなノリってことか?

お姉様、妹、みたいな…。

美しさって…貴方の方が数百倍綺麗ですからね!?

突然の告白?に戸惑う私。

頼人は、あーぁ、と面倒なものを見る目で
桜ヵ谷さんを見ていた。

美少女をそんな目で見るなんて、モテ男は
違うね!

てか、どうしよ…これどうしたらいい
んだろう。

令嬢の姉って…目立ちそうだしなぁ。

『えっと…ちょっとムリかな?

 気持ちは嬉しいんだけど』

慎重に言葉を選んで断る。

庶民が貴族に楯突いたらだめだよね!

「えっ、どうしてですか!?

 まさか、心を寄せる方がいらっしゃる
 のですか?」


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