一期一会。−2−

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「壮太さん!」

『…葵』

集中治療室の前に立っていた俺の隣に、葵とその連れが走ってきた。

怪我はしているけれど、軽症ですんだらしい。

「彩羽…っ!」

ガラスで隔たれた部屋の中に、ポツンとベッドが一つ置かれていた。

そのベッドの上には、寝かされ、管を巻かれた彩羽の姿。

一応、手術は成功だった。
  


ー「手術は成功です。

  しかし、出血量が多く、いつ容態が変わってもおかしくはありません」


医者の声が、繰り返し脳に響く。

そりゃ、アレだけ無茶したら、血も足りなくなるだろう…。
 

ー「お兄ちゃん」


歯がゆくて、もどかしくて、仕方ない。

葵達は、心配そうに彩羽を見ている。

「彩羽は…、撃たれたんですか?」

『…あぁ』

怒りに燃えている葵に、犯人は既に捕まっていることを伝えた。



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