一期一会。−2−
苦笑の私に、食い下がる桜ヵ谷さん。

心を寄せる人…って。

好きな人のこと?

好きな人…って、私、今何考えようと
してた?

いないでしょ、そんな人。

「もし、いないのであれば、私、
 お姉様役に貴方を立候補致しますわ」

この子、中々に強者だ。

ある意味天敵かもしれない。

公開告白は、初めてですね…。

「彩羽、帰るよ」

『えっ、あ、葵!』

困っていたら、葵が私を呼びに来た。

体育館の入り口には、残りの二人の姿。

「…頑張ってたね」

『うん』

偉いよ、と笑顔で、私の頭を撫でてくれた。

えへへ、葵は馬鹿にしないもんね。

優しくて、たまに腹黒い葵。

ほっとかれた桜ヵ谷さんは、
そんな私と葵のやり取りをガン見していて。

(ちなみに、頼人は早々に帰った)

その目は嫉妬というよりも、キラキラ
していた。

「まぁっ、素敵な王子様ですわね!

 相思いでいらっしゃるの?!」

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