一期一会。−2−
番外編【Case:青火高校】
[桃李side]
頬の内側で転がしていた飴を噛み砕き、葵の席を振り返る。
『葵〜、暇』
葵は、話しかけられたにも関わらず、僕の方を一切見ずに、窓の外を見つめていて。
長く間を空けた後、淡々と答えた。
「…知らないよ、サボったら?」
“凍華”とだけあって、反応が冷たい。
しかも、トップ2に対しても、他人同等に扱うし。
この僕にだよ??
男にも女にもなれる魅惑の美少年がいるってのに。
…まぁ、目の前の葵も人離れしたイケメンなんだけどね。
それがどうにも悔しい。
文句言いようがないもん。
つれない反応は置いといて、葵の席に気怠く肘をつく。
『えー、サボって何しろっていうのさ』
適当な答えに具体性を求めたが。
「………」
おい、無視か。
食い下がったのが面倒になったらしい。
『ねぇ』
「……………」
ノーリアクションに確信する。
あ、これ無視だ。